現在、浪人という選択を取る人が20年前の半分になっている。「浪人してでもこういう大学に行きたい!」という人が激減している中で、浪人はどう人を変えるのか。また、浪人したことで何が起きるのか。 自身も9年間にわたる浪人生活を経て早稲田大学の合格を勝ち取った濱井正吾氏が、さまざまな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったことや頑張ることができた理由などを追求していきます。

今回は医学部医学科を目指して受験し続けるも、不合格に終わり、7浪で奈良女子大学に進学。諦めきれずに受験を続けたものの、医学部医学科への合格はかなわず、私立の歯学部に進学。2024年の2月に中途退学して、新たな道を歩み始めているtotoronさん(仮名)に話を伺いました。

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20回の挑戦を終えて、夢を断念

夢を諦めるというものは、つらいものです。

今回お話を聞いたtotoronさん(仮名)は、医師を目指して7浪したものの、不合格に終わり、奈良女子大学に進学。在学中や卒業した後も、センター試験と共通テストを受け続けますが、20回目の挑戦を終えて、ついに断念します。20年追いかけた夢を断念する無念さは、筆舌に尽くしがたいものがあると思います。

それでも、彼女はいま、前向きに自分の人生と向き合おうとしていました。彼女は言います。「夢を目指して頑張れたことが、自分の人生にとってよかった」と。

人生の半分以上をかけて目指した医者の道を断念した彼女が、「未練はない」と語る理由とは。長きにわたる彼女の浪人生活に迫っていきます。