日本を代表する伝統工芸である京都・西陣織。日本人ならその名を知らぬ人はおらず、世界からも高い評価を受け続けている。

1500年の歴史あるこの伝統工芸が次の時代も輝き続けられるか否かは、「アーティストという個」「世界80億人」「生産革命」「人々の投資リテラシー」など、複数の要因が左右するだろう――。

国内外の投資会社でファンドマネージャーや投資啓発などの要職を20年経験後、投資の研究と教育を行うWealthPark研究所を設立した加藤航介氏。

英米で10年を過ごし、世界30カ国以上での経済・投資調査の経験を持つ加藤氏が、「投資のエヴァンジェリスト」という視点から、「西陣織産業が不死鳥のように復活し、世界へ羽ばたくための解」と、そこから学べる投資リテラシーの本質」を考察する。

西陣織「復活のための処方箋」はあるのか

日本を代表する伝統工芸である京都・西陣織

日本人ならその名を知らぬ人はおらず、世界からも高い評価を受け続けるこの絹織物産業ではあるが、「和装・着物市場の縮小」「職人の後継者問題」という厳しい現実にも直面している。

1500年の歴史あるこの伝統工芸が次の時代も輝き続けられるか否かは、「アーティストという個」「世界80億人」「生産革命」「人々の投資リテラシー」など、複数の要因が左右するだろう。

1回めの記事『伝統工芸「京都・西陣織」は「エルメス」になれるか』では西陣織の世界からの熱い注目や大きなポテンシャルを、続く2回めの記事『1500年の伝統「京都・西陣織」まもなく消滅するか』では後継者問題などの産業としての課題を取り上げた。

今回は、西陣織産業が不死鳥のように復活し、世界へ羽ばたくための解を整理する

また新NISAにより「貯蓄から投資」へと資金が動き出した2024年、西陣織産業と個人のお金を合わせて考えることで、「投資リテラシー」についても考察していきたい。

※文中の源兵衛氏とは、今回取材先であった西陣織・織元、誉田屋源兵衛(こんだやげんべえ)の十代目山口源兵衛氏を指します。

誉田屋源兵衛
「誉田屋源兵衛」十代目山口源兵衛氏は、海外の講演会へスピーカーとしても足を運ぶ(写真:誉田屋源兵衛株式会社)