自分ではそれが当たり前のことだと思っていたが、パソナマスターズのキャリアコンサルタントと経験を棚卸ししていくうちに、強みになると気づいた。

そこで出合った求人が、地方自治体が運営する中小企業の支援団体での仕事だ。

それは中小企業の社長が抱える悩みをヒアリングして、問題解決のサポートを行うというもの。まさにBさんが経験してきた仕事だった。

「Bさんの経歴を一方向で見てみると、“ルートセールス”になりますが、経験をリフレーミングして見方を変えれば、“中小企業の社長の相談役”とも言えます。

過去の経験について、自分で棚卸ししていくのもいいですが、壁打ち相手を見つけて話すことで整理されやすくなります。

シニアを対象とした人材エージェントのキャリアコンサルタントの力を借りるのも一考かもしれません」

定年後はジョブ型に、求められる専門性

前記事でニッセイ基礎研究所・上席研究員の前田展弘さんが解説していたように、Ⅱ層シニア(定年を迎えた“普通”の元会社員や公務員)は、スキルや経験が広範囲にわたる「ジェネラリスト」の傾向が強い。

すると、自身の強みや専門性が見えにくく、再就職先とのマッチングもしにくくなる。

というのも、再就職の求人は、求める職務内容やスキルが明確に決まっている「ジョブ型」が主流だからだ。