結婚や昇進、希望する企業へ就職が決定――

嬉しいことが起きたときに、なぜかぐったりと疲れを感じてしまうことはありませんか。

日本リカバリー協会の代表理事であり、科学的な視点で「疲れ」と「休息」を研究する医学博士の片野秀樹氏は、ポジティブな出来事でも人によってはストレスになり、疲労の原因になることがあるといいます。

ストレスを受けたとき、私たちの体では何が起こっているのか。片野秀樹氏がこのほど上梓した『休養学:あなたを疲れから救う』より、抜粋・編集してお届けします。

疲労の「もと」はストレスである

私たちはよく「ストレス」という言葉を口にしますが、ストレスって何だと思いますか?

「会議でいいたいことがいえなくてストレスがたまった」

「満員電車ってストレスだよね」

などなど――。多くの場合は「イヤだけど、我慢するしかないもの」というような、精神的な重圧の意味で使っているかもしれません。

しかし休養学でいうストレスとはもっと幅広く、肉体的・精神的な疲労の原因になるような外的刺激はすべてストレスであるとみなします。

たとえば暑いとか寒いとか、そんな単純なことも立派なストレスですし、結婚や昇進など一般には喜ばしいとされている出来事も、生活が大きく変わるという意味ではストレスです。