頭痛、肩こり、不眠、手足のしびれ……さまざまな不調を引き起こす「自律神経の乱れ」。

日本リカバリー協会の代表理事であり、科学的な視点で「疲れ」と「休息」を研究する医学博士の片野秀樹氏は、自律神経の変調は最も早くに表れる「疲労のシグナル」であり、自律神経を知ることが疲労回復の近道であるといいます。

自律神経とはいったい何なのか。片野氏がこのほど上梓した『休養学:あなたを疲れから救う』より、抜粋・編集してお届けします。

2種類の自律神経

自律神経とは自分の意思ではコントロールできない、血流や臓器のはたらきを司る神経のことです。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。

両者の違いはのちほど詳しく説明しますが、ここでは「緊張・興奮すると優位になるのが交感神経」「リラックスすると優位になるのが副交感神経」と理解しておいてください。

まず、ストレスがかかると副腎に影響があるのは内分泌系と同じです。