副腎は肉まんのように二重構造になっていますが、肉まんの内側の副腎髄質からはアドレナリンというものが出ます。アドレナリンが出ると、自律神経のうち興奮や緊張の神経である交感神経が高まり、心臓がドキドキしたり、血圧が上がったりします。

(出典:『休養学』)

こうした過緊張の状態が長く続きすぎると、さまざまな不調が体のあちこちに顔を出してきます。

自律神経の乱れは疲労のサイン

疲労を専門とする医師が真っ先に注目するのが、自律神経の変調です。疲労のシグナルが最も早期にあらわれるからです。

目の疲れや肩こりなどもその1つです。交感神経が優位になると目が疲れたり肩がこったりするのは、筋肉が緊張するからです。血管のまわりには筋肉がはりついていますが、この筋肉が緊張していると血管がしぼりあげられるので、血管が細くなり血液の流れが悪くなります。そのため眼精疲労や肩こりを引き起こすのです。

ほかにも自律神経が乱れると、不安や焦燥感で眠れない、集中できない、頭が痛い、倦怠感がある、イライラする、疲れやすい、食欲不振などの症状を訴えるようになります。