世界36カ国を約5年間放浪した体験記『花嫁を探しに、世界一周の旅に出た』が話題を呼んでいるTVディレクター・後藤隆一郎氏。

その後藤氏が旅の途中で訪れた、ヒマラヤ山脈にある辺境の地、チベット仏教の聖地「スピティバレー」で出会った「標高4000mに暮らす人々」の実態をお届けします。

*この記事の前半:TVマンが見た「絶滅危惧種と暮すチベット民族」驚く日常(前編)

*この記事の続き:TVマンが見た「絶滅危惧種と暮すチベット民族」驚く日常(後編)

人懐っこい村人と警戒心のない野生動物

朝食を食べた後、カナさんと二人で村を探索した。四方が山々に囲まれた小さな村には女性と子どもたちがたくさんいて、皆、とても人懐っこい。

歩いていると、小さな子どもたちが後からゾロゾロとついてくる。

スマホのレンズを向けると、屈託のない笑顔でピースサインを見せてくれた。幼い弟を背負いながら妹の手を引く10歳くらいの男の子もいる。

大自然を遊び場にしている子どもたちは、皆、元気いっぱいで、わんぱくそうだ。

その光景は何だかとても懐かしく、大分県に住んでいた幼少期、近くにガキ大将がいて、こんな感じで遊んでいたのを思い出した。

ムド村の人々 ムド村の人々。若い女性と子どもがたくさんいる(写真:筆者撮影)

可愛いピースサイン 可愛いピースサイン(写真:筆者撮影)

子供達 子どもたちはとても人懐っこい(写真:筆者撮影)

弟と妹の世話をする小学生くらいの子供 弟と妹の世話をする小学生くらいの子ども(写真:筆者撮影)

村は動物であふれ返っていた。放牧された牛やロバがあちこちに佇んでいる。くるりと巻いた大きな角と茶色く長い毛を持つヤギが日なたぼっこをしながら、のんびりと寝転がっていた。