東急新横浜線の日吉駅を平日の20時51分に発車する列車は「急行」大和行きですが、なんと終点まで全駅に停車します。実質“各駅停車”なのに、なぜ急行と表示されるのでしょうか。

新横浜駅からは表示が変わった!

 2023年3月に開業した東急新横浜線。その接続駅となった日吉駅(横浜市港北区)の時刻表を眺めていると、同駅始発の急行列車があることに気づきます。例えば平日の20時51分発「急行」大和行きです。
 
 ところがこの列車の停車駅を調べると、なんと終点の相鉄本線 大和駅(神奈川県大和市)まで全ての駅に停車することが分かります。実質的には“各駅停車”ですが、なぜ種別は「急行」なのでしょうか。

 理由を東急電鉄の広報部に尋ねると、実に単純明快。「東急新横浜線の東横線直通列車の種別は『急行のみ』となっているためです」とのこと。

 そもそも東急・相鉄新横浜線のダイヤが発表された際、東横線から相鉄線へ、もしくはその逆の直通列車は、種別を急行として運行すると決められていました。前出の広報部によると「この始発列車は、日吉駅の東横線ホームから東急新横浜線へ向かいます」とのこと。

 これは運行上の都合によるもので、例えばシステム的に車両が各停と表示できないといった理由ではないそうです。ちなみに目黒線から東急新横浜線、相鉄線へ直通する列車には、各駅停車も存在します。

 同じく“全駅に停車する急行”は、土休日の17時台にもあります。39分発「急行」湘南台行きです。試しに乗車してみました。

 始発の日吉駅では、電光掲示板にも入線してきた列車にも「急行 湘南台」とあります。車内の案内ディスプレイも同じ。ただ、等間隔にズラッと並んだ停車駅一覧に違和感を覚えます。

 7分後、新横浜駅に到着。ここからは相鉄新横浜線となりますが、なんと運行会社が変わった途端、車内の案内ディスプレイは「各停 湘南台」に。急行の表示は、東急線内わずか3駅でしか見られない貴重なもののようです。

 それから35分ほどで終点に到着。列車は各駅停車 志木行き(東武東上線直通)となり、18時半過ぎに折り返して行きました。