もうすぐ田植えの時期。山形市では、きのう、今年のコメの豊作を願う「田植え踊り」が奉納されました。後継者不足が懸念される中、伝統をつなぐ子どもたちを取材しました。
山形市の旧山家村、鈴川地区に伝わる民族芸能「山家田植踊り」。
保存会 深瀬雅 会長「400年前から伝わっている。その頃から主食はコメ。不作の年が続く世の中だった。豊作になるようにと」
その伝統をつないでいるのが、鈴川小学校の児童たち。
保存会のメンバーの教えのもと、毎年4月29日に、学校裏にある虚空蔵堂に踊りを奉納しています。
今年で60代目となる「山家田植踊り伝承児童」。
数年前までは、人数制限を設けるほど希望者がいたそうですが、時代の変化と共に少なくなり今年のメンバーは12人。
保存会 深瀬雅 会長「米作りだけ一生懸命やらなきゃいけないという時代じゃない。後継者育成と騒いでもなかなか身近ではない」
それでも…。
5年生「初めて。楽しそうだったから(参加した)」
保護者「地域の貢献として娘が役立ってもらえれば」
きのうは、今年の豊作を願う大切な日。
児童たちは9曲目ある山家田植踊りの1つ、田起こしを表す「お正月」を奉納しました。
山家田植踊りで特徴的なのは「誉め言葉」。独特の節は、代々語り継がれているそうです。
「踊りの賑やかさに少々ばかり、ほめ申そうかな」
保護者や保存会のメンバーが見守る中、無事今年の奉納を終えました。
児童「踊りとか楽しくて練習とかがんばってできたので良かった。継承していって何代か続けていけるようにしたい」
知る人ぞ知る、地元に残る民俗芸能「山家田植踊り」。次は、10月に地元の祭りで披露される予定だということです。