アルピーヌは「A290ベータ」を世界初公開しました。2024年に発売を予定している電動ホットハッチ「A290」のコンセプトモデルで、外観はほぼこのままに市販化されるようです。

全長4050mmのBセグメントEVは2024年に市販化予定

 仏アルピーヌ(ALPINE)は2023年5月10日、Bセグメントの電動スポーツカー・コンセプトモデル「A290β(A290ベータ)」を世界初公開しました。

 A290ベータは、2024年に発売が予定されている「A290」のショーモデルです。アルピーヌは2026年までに完全電動ブランドになることを目指しています。今回登場したA290ベータは、次世代アルピーヌの3台のEV(電気自動車)「ドリームガレージ」のうちの1台で、コンパクト・ホットハッチとなります。

 車名の「A」はアルピーヌ、最初の「2」はBセグメントを表し「90」はブランドの将来のライフスタイル・レンジを表しているといいます。またギリシャ文字の「ベータ」は、2024年に量産車が正式発表されるまでの段階を表し、開発がすでに半ばに来ていることを示しています。

 A290ベータの詳細は明らかになっていませんが、エクステリアは量産モデルに近いスタイリングをもっているといいます。全長4050mm×全幅1850mm×全高1480mmというボディサイズで、短いホイールベースと広いトレッドが特徴です。一方で、3座のインテリアはまったく新しいコンセプトとなります。

 フロントに2つの電気モーターを搭載するEVで、街乗りだけでなくサーキット走行も楽しめるといいます。専用の19インチタイヤはミシュランと共同開発され、あらゆる条件下で最適なパフォーマンスとコントロール性を実現します。

 インテリアは3人乗りで、中央に運転席のあるコンセプトモデルになります。これはレーシングカーからインスピレーションを得ており、バケットシートとサベルト社製のハーネスが搭載されています。バケットシートはカーボン製で、アルピーヌらしく軽量性にこだわっています。

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 アルピーヌは1955年にジャン・レデレ氏によって創設されたスポーツカーメーカーで、1973年にはルノーの子会社となりました。2017年にブランドが復活、新型「A110」が発売されています。

 2021年にはルノー・スポールと統合、ルノーが母体となるF1コンストラクターのルノーF1チームは、2021年シーズンから「アルピーヌF1」チームと名称変更されて参戦しています。

 2021年にはアルピーヌの長期成長計画が発表されていますが、その中には今後、100%電動のブランドに進化していくと書かれており、今回発表されたピュアEVスポーツコンセプトのA290ベータのほかに、CセグメントのピュアEVスポーツクロスオーバー、そしてロータスと共同で開発する、A110に代わるピュアEVスポーツが登場する予定です。