2023年12月に世界初公開された、史上最強のSLといわれる「メルセデスAMG SL63 SE パフォーマンス」が欧州市場で注文が開始されました。どんなクルマなのでしょうか。

0−100km/h加速は2.9秒、最高速度317km/hの最強オープン

 メルセデス・ベンツの高性能車部門、メルセデスAMGは2024年3月9日、新型「SLクラス」に高性能モデル「SL63 SE PERFORMANCE(SL63 SEパフォーマンス)」を追加、注文を開始しました。

 現行型SLは、2021年10月に世界初公開された2+2のオープンモデルで、今回からメルセデスAMG専用モデルとして登場しました。

 SLの歴史は古く、公道走行できるレーシングスポーツカーとして初代SLは誕生。1952年に発表された「300SL(W194型)」はその年のル・マン24時間耐久レースでワンツーフィニッシュを果たすなど輝かしい成績を収めました。

 新型SLは7代目モデルで、従来のメタルバリオルーフに代えて、電動ソフトトップを採用することで21kgの軽量化を実現。さらに低重心化することでドライビングダイナミクスとハンドリングに良い影響を与えています。さらに省スペース・軽量のZフォールドにより、従来のソフトトップのカバーが不要になっています。

 今回、欧州市場で注文が開始されたメルセデスAMG新型SL63 SEパフォーマンスは、612馬力・850Nmを発生する4リッターV型8気筒ツインターボエンジンと、204馬力・320Nmを発生するAMGエレクトリックドライブユニット(モーター)が組み合わされ、トータル出力は816馬力・1420Nmを発生。これはSL史上もっともパワフルなモデルとなります。

 プラグインハイブリッド(PHEV)モデルで、リチウムイオンバッテリーはメルセデスAMG ペトロナスF1チームのフォーミュラ1ハイブリッドレーシングカーで培った技術を採用。6.1kWh容量のバッテリーでおよそ13kmのEV走行を可能としています。
  
 組み合わされるトランスミッションはAMGスピードシフトMCT9G(9速AT)で、駆動方式はAMGパフォーマンス4MATIC+(4WD)となります。これらにより、0−100km/h加速は2.9秒、最高速度317km/hというパフォーマンスを発揮します。

 インテリアはスポーティかつコンフォートな雰囲気となります。2+2の4座となり、室内には広いスペースが確保されています。

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 メルセデスAMG新型SL63 SEパフォーマンスの欧州での車両価格は、22万3720ユーロ(日本円で約3590万円。ドイツの付加価値税VAT19%込)からとなっています。

 オンラインコンフィギュレーターが使えるようになっています。ダウンフォースを増加させる「AMGエアロダイナミクス パッケージ」(3332ユーロ:約53万円)、フロントスプリッターのインサートやリアディフューザーがカーボンになる「AMGカーボンエクステリアパッケージ」(5712ユーロ:約91万円)、外観各所にクロームを使った「AMGエクステリアクロームパッケージ」(1130ユーロ:約18万円)など、さまざまなオプションにも対応します。