マツダはオートモビル カウンシル2024に、往年のコンセプトカーで、ロータリーエンジンを搭載するミッドシップ・スーパーカー「RX500」を展示すると発表しました。どんなモデルなのでしょうか?

最高速は200km/hをマークしたという「RX500」

 マツダは2024年4月12〜14日に開催されるオートモビル カウンシル2024に往年のコンセプトカー「RX500」を展示すると発表しました。

 ロータリーエンジンをドライバーの背後に搭載するミッドシップ・スーパーカー「RX500」とはどのようなモデルだったのでしょうか?

 日本に自動車文化の創生を図ることを目的としたオートモビル カウンシルに対し、マツダは以前から積極的に出展しています。

 そんなマツダの今回の出展テーマは「ロータリースポーツカーコンセプトの歴史と未来」。同社ブースにはロータリーエンジンを搭載するスポーツカーやコンセプトカーが複数出展される予定ですが、なかでも注目したい1台が「RX500」です。

「RX500」は、マツダが1970年の東京モーターショーに出展したミッドシップ・スポーツカーのコンセプトモデル。

 ドライバーの背後に搭載されるロータリーエンジンは、「ファミリア ロータリークーペ」のレース仕様に使われていた“10A型”。トランスミッションは4速MTでリアタイヤを駆動します。

 最高出力は250psと現代的な視点で見れば控えめですが、わずか850kgという車両重量や、50:50という理想的な前後重量配分などを武器に軽快なフットワークを実現。ちなみに最高速は200km/hを達成するとうたわれていました。

「RX500」はシャシーレイアウトだけでなくそのデザインも特徴的で、左右のドアにはフロントのヒンジを起点に斜め上方へと跳ね上がる“シザースドア”を採用。リアのエンジンルームへアクセスするドアはガルウィング式となっていました。

 スペースフレーム構造のボディは、全長4330mm、全幅1720mm、全高1065mm、ホイールベース2450mmと現代の目で見るとコンパクトですが、低く構えたシルエットや強烈なウエッジシェイプなど、「RX500」のルックスは当時のスーパーカーを思わせるもので、いかにもコンセプトカー然としています。

 しかし、「RX500」は実際に走行可能な上、空力性能チェックのために風洞実験までおこなうなど、市販化をかなり意識したモデルでもありました。

 最終的に市販化には至りませんでしたが、一部には、「RX500」はマツダが世界で初めて実用化した2ローター・ロータリーエンジンを搭載する「コスモスポーツ」の後継車を意識したコンセプトカーで、その開発で得られた知見が初代「RX-7」につながったとの見方もあるほどです。確かに初代の“SA22”型「RX-7」は、コンパクトなロータリーエンジンをフロント・ミッドシップに搭載していました。

●「RX500」と最新のコンセプトカーの共通項とは

 マツダはジャパンモビリティショー2023において、2ローター・ロータリーEVシステムの搭載を想定した新たなコンセプトカー「アイコニックSP(ICONIC SP)」を世界初公開しました。

 この「アイコニックSP」はロータリーエンジンを搭載し、“シザースドア”を採用するなど、「RX500」に通じる車体構成やデザインエレメントが見て取れます。

 オートモビル カウンシル2024では、そんな両モデルがマツダブースを彩ります。半世紀以上の時を超え、ロータリーエンジン搭載のスポーツカーが共演するブースは同イベントの見どころのひとつといえそうです。