メルセデス・ベンツ「Gクラス」に、電気自動車(EV)の新型「G580」が世界初公開されました。これまで「コンセプトEQG」という名で展開されていたショーモデルの市販バージョンです。どんな性能を持っているのでしょうか。

車両価格は14万2631.5ユーロ(約2365万円)から

 独メルセデス・ベンツは2024年4月24日、新型「G580」を世界初公開しました。

 新型G580は、メルセデス・ベンツGクラスとして初の完全電気自動車(BEV)です。

 Gクラスは、初代が1979年に登場したモデルです。もともと軍用車両だったモデルを民生用にしたもので、以来基本的なコンポーネントは現在まで変更されていません。現行型(W463A)は2018年1月に発表されています。

 今回初公開されたG580は、2021年にドイツ・ミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2021」で世界初公開されたGクラスのEVコンセプトモデル「コンセプトEQG」の市販バージョンとなります。2023年10月に東京ビッグサイトで開催された「JAPAN MOBLITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー2023)」にも出展され、話題となりました。

 シャシは従来同様のラダーフレームをベースに、フロントに独立懸架式、リアには新開発のリジッドアクスル・サスペンションを組み合わせます。装着されるタイヤサイズは22インチで、現行Gクラスのテールゲートに装備されるスペアタイヤカバーは廃止され、代わりに白いアクセントイルミネーションを装備する収納ボックスを装着しています。

世界初公開されたメルセデス・ベンツ新型「G580」のインテリア

 新型G580は4モーター式を採用、合計最大出力432kW(約587馬力)を発生。

 それぞれ個別に制御されるモーターは、選択可能なLOW RANGEオフロードギアリダクションと合わせて、ユニークな走行特性と専用機能を可能にします。

 また「Gターン」と呼ばれる機能を搭載。これはオンロードやオフロードで、ほぼその場でクルマを回転させることが可能です。「Gステアリング」機能はオフロード走行時に大幅な小回り力を発揮、また3速インテリジェントオフロードクロール機能は、オフロードでのクルーズコントロールのような機能で、ドライバーが路面の把握に集中することができます。

 オフロード性能はエンジン搭載のGクラス同等もしくはそれ以上を発揮。適切な路面であれば最大斜度45度の登坂性能を備え、最大35度の横勾配でも車両は安定しているといいます。

 さらに最大渡河深度は850mmと、従来のGクラスよりも150mm優れています。ローレンジ・オフロードギアは特別な減速比で推進力を高め、インテリジェントなトルクベクタリングを使うことで、従来モデルのディファレンシャルロックの機能を仮想的に作ります。

 Gクラス特有の特徴的なドライビングサウンドに加え、1種類の「オーラ」サウンドと様々な「イベント」サウンドが含まれています。
 
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 新型G580のドイツでの車両価格は14万2621.50ユーロ(日本円で約2365万円。ドイツの付加価値税VAT19%込。以下同様)です。また発売記念の限定車「エディション・ワン」は19万2524.15ユーロ(約3191万円)となっています。

 日本での発売時期など詳細は未定です。