路頭に迷った少年に手を差し伸べた優しいお嬢様。だが彼女が彼を助けたのは「偶然」ではないようで……。

西馬ごめゆき(@iwwaasii)さんは週刊コロコロコミックにて「DOUBLE HELIX BLOSSOM」(原案:アサウラ/キャラクター制作:SWAV)を連載中のプロの漫画家。SNS上でも自主制作作品を精力的に発表しており、「僕を救ってくれた優しいお嬢様」は2023年10月から西馬さんが自身のX(旧Twitter)やKindle無料電子書籍にて発表している創作漫画シリーズだ。

父の会社の倒産をきっかけに高校を退学し、路上生活を余儀なくされた少年。どん底にいた彼を救ったのは、高校のクラスメイトだったお嬢様だった。パンを恵んでくれた彼女にお礼がしたいと申し出た少年。お嬢様は「これから一生ずーっとわたくしを守ってくださいまし」と、彼を住み込みのボディガードとして雇う。だが、彼に与えられた部屋は何故かお嬢様と同室、アメニティは実家で使っていたのとすべて同じもの。「もう逃がしませんわ」と薄く微笑む彼女の行動や言動には明らかに思惑が見え隠れして――、という連作短編だ。

第1話にはX上で1.5万件を超えるいいねが集まり、読者からは「優しすぎて怖い」「父の会社が倒産した理由もしかして」と、展開の今後が気になる声が寄せられる同シリーズ。ウォーカープラスは作者の西馬ごめゆきさんに本作の制作背景を訊いた。

■「謎のベールを楽しんでもらえたら」今まで描いたことのないキャラクターへの挑戦

――今回のキャラクターやシチュエーションで描こうと思ったきっかけを教えてください。

【西馬ごめゆき】動かせるキャラクターの幅を増やすため、今まで描いたことのないヤンデレめいた雰囲気に挑戦してみようと思ったのがきっかけでした。

――表面上は主従ラブコメながら、実は裏がある…?という緊張感も併せ持ったシチュエーションです。制作で意識している点や本作ならではのポイントはありますか?

【西馬ごめゆき】緊張感は作りながらも、読んでくれた人が主人公を羨ましいと思ってもらえるような展開にできるよう意識しています。

――また、そこまで読者に与えていた印象がひっくり返るシーンが描かれているように、本作では表情描写が作品の謎のベールにもなっているように思います。

【西馬ごめゆき】謎のベールの部分を楽しんでもらえたらとてもうれしいです。自分が今までSNSで更新していた短編シリーズのほかのキャラと比べると、お嬢様は表情の変化が乏しめなので目でしっかり感情を伝えられるよう気を付けています。今は更新が止まっていますがそろそろ再開予定ですので、今後もお嬢様の優しさをぜひ楽しみにしていてほしいです。

――本作をはじめ個人制作作品で人気を博す一方、今年1月からは「DOUBLE HELIX BLOSSOM」の連載がスタートしました。連載への意気込みや、SNSから西馬さんを知った方に向けてどんな作品かメッセージをお願いします。

【西馬ごめゆき】人気を博す、と言って頂けるほど博せてはいませんが(笑)、「DOUBLE HELIX BLOSSOM」は2人の少女が織りなす近未来バディアクションで漫画は土曜更新です!頑張って描いてますので読んでもらえたらうれしいです。

取材協力:西馬ごめゆき(@iwwaasii)