街中で出会ったビラ配りからの声掛けをよく聞きもせず「いらない」と答え続けていたら、とんでもない事態に巻き込まれることに…。そんな恐怖の展開と予想外のオチを描いたネブクロ(@nebukuro41)さんの漫画が話題となっている。今回は、「くらげバンチ」(新潮社)で連載中の漫画「訳アリ心霊マンション」のエピソード「インターフォン」を紹介。併せて、作者のネブクロさん本人にも話を聞いた。


■怪談話のツッコミたくなる矛盾点に着目した“ホラーコメディー”

「訳アリ心霊マンション」は、主人公のマンションオーナー・東雲薫(しののめかおり)が、心霊現象で敬遠されるマンションにお化けや霊を住まわせようと“入居者”探しに奔走する物語。もともとは個人制作で描きSNS上で公開していた作品で、その後第17回「くらツイ漫画賞」の大賞を受賞したことをきっかけに連載作品として再スタートした。

同作を着想したきっかけについて、ネブクロさんは「『気絶して目が覚めたら運よく霊が消えていた』とか『意地でも危険区域の説明をしない老人』とか、自分がホラー物を描くなら他との差別化も含めてそういった点を突いていこう(と思って描き始めた)」と、怪談話のツッコミたくなる矛盾点に着目したことからスタートしていることを明かした。

作中人物の闇を感じさせるような展開も散りばめられる一方、ギャグとホラーの絶妙な掛け合わせが魅力といえるが、「『訳アリ心霊マンション』は“ホラー漫画”じゃなく、“コメディー漫画”でもない。その2つがミックスして成り立つホラーコメディです」とコメント。“ホラーコメディー”という位置づけからブレないよう、常に意識しながら作品を描いているようだ。

今回紹介したエピソードのように、途中からでも作品の入り口となるような一話完結の話も多い本作。先日単行本第3巻も発売するなど、さらなる展開も楽しみだ。ネブクロさんは「目指すところは読みやすさ。今後とも好きなときに好きに読んでって」と読者へメッセージを寄せた。



取材協力:ネブクロ / くらげバンチ(新潮社)