海外に移住しオカリナのオンラインレッスンを行いつつ、X(旧Twitter)で漫画を発信して人気を集めているオカリナ講師のジャスティン(@Justin_ocarina)さん。ウォーカープラスでは、ジャスティンさんの海外での日常を描いた「月収5万エジプト在住 まあ死なんやろ日記」を連載中。第9回となる今回は、エジプトのトゥクトゥクにまつわるお話。エジプトならではの文化についてインタビューを交えながら紹介する。

■死と隣り合わせなエジプトの街中

――今回はトゥクトゥクにまつわるお話です。日本ではあまり馴染みのない交通手段ですが、どのようなときに使うのでしょうか?

「とにかく安く近くまで行きたい」という感じで、自転車を代わりに漕いでくれる人のような感覚で使います。「リキシャ」のような感覚と言えばわかりやすいでしょうか。

またトゥクトゥクは危険と認知されているのか、特定の地域には入れませんし大きな道路にも出られません。遠くまで行くときはUberを使います。

――子どもが運転するトゥクトゥクに乗車してしまったとのことですが、エジプトではよくあることなのでしょうか?

はい、よく見かけます。エジプトの法定運転年齢は18歳なので完全に違法です。二度と乗りません(笑)。

――そんな違法運転手が運転中に飛び降りたというエピソードが収録されていますが、当時の出来事について詳細を教えてください。

友人が捕まえたトゥクトゥクで子どものドライバーに当たり、断り切れずに乗ってしまったことがあります。走行中に減速したと思った次の瞬間、ドライバーが運転席から飛び降りてどこかへ行ってしまいました。

走行中の車内に取り残された私と友人は思考が追い付かずパニックになりかけたのですが、すぐさま別の子どもが飛び乗ってきてそのまま運転を始めました。無事目的地には到着して、ことなきを得ましたがそのときばかりは「まあ死なんやろ」ではなく「さすがにこれは死ぬ」と思いました。

――そのほかにも「さすがにこれは死ぬ」と思ったエピソードがあれば教えてください。

南スーダン人の友人から、知り合いが現地人の喧嘩に巻き込まれ鈍器で殺されたという生々しい話を聞きました。私も道路の反対側からではありましたが、誰かが逃げており、それを追いかける人が投げたガラス瓶が野球の球くらいのスピードでぶっ飛んで、逃亡者の耳をかすめて行く様を目にしたことがあります。頭に当たれば死ぬと思います。

普段、街中で喧嘩が勃発すると、周囲の人は皆好奇心からそちらの方へ走って行って見物しようとするのですが、私は走って逃げることにしようと思いました。
次回は連載最終回。更新は2024年3月24日(日)20時を予定。