「わしゃ捨てんよ!」ゴミ屋敷のおばあちゃんとの交渉は平行線…子どもの一言が解決の糸口に?【作者に聞く】
■「中はどうなっているんだろう、住んでいる人はどんな人だろうという思いを漫画で疑似体験できたら楽しいだろうなと」
部屋中が物であふれ返ってしまい、家主も物を捨てたがらないことから生まれる「ゴミ屋敷」。ご近所トラブルにも発展することがあるが、周囲から見たら「ゴミ」と思うようなものでも、家主にとっては大事なものというケースも少なくない。今回のエピソードでは、そんな家主の思いに触れた娘や役所の職員が、違うアプローチで問題の解決を図ろうとする様子も描かれる。
「家」がテーマの本作を描いた経緯について、佐久間さんは「散歩をしながら家を見るのって楽しいですよね。『中はどうなっているんだろう、住んでいる人はどんな人だろう…』と考えるけど、現実ではなかなか訪問して見せてもらうことはできないですよね(笑)。ですので、漫画で擬似体験できたら楽しいだろうな〜と思って。また、家を訪問すると住人たちとも接触するからドラマも生まれやすい。そこもポイントでした」と、着想のきっかけを告白。
本作で取り上げる家と住人の決め方を尋ねると、「私が実際に散歩していて気になった建物がベースになっています。さらに『こういう家主が住んでいるとしたらどんな家だろう…』と、ひたすら想像して捻り出しました。実際に取材させてもらって作ったお話もあります」とのこと。どのエピソードが実際に取材したものなのか予想しながら読んでみるのも面白そうだ。
本作の主人公・道生の愛すべきキャラクターも魅力的だが、「もじもじしてると話が進まないので、好きなことにはずんずん進んでいくキャラにしました。あとは私の憧れも入ってるかも…。何かに夢中になっている人は魅力的なので!」とコメント。子どもの視点を通すことでプライベートに立ち入ったことを聞いている感も薄くなり、読者もストレスなく読めるのかもしれない。
各話の最後に訪問した家の間取りが描かれるのも見どころの一つ。佐久間さんは「ラストの間取りは、担当編集者さんのアイデアなんです!素晴らしいですよね〜。これがあるのとないのでは満足度が違ってくる。しかし監修の松谷さんからご協力いただきましたが、描くのが大変でした…」と、実は描くのに苦労していたことを明かした。
取材協力:佐久間薫(@sasakumako)