911ダカールと新型カイエンを日本で初公開! 356の誕生75周年を記念したイベント「ポルシェフェスティバル」を開催

この記事をまとめると

■2023年6月3〜4日にポルシェフェスティバルが開催された

■911ダカールと新型カイエンが日本初お披露目された

■オーナーの愛車に賞を贈る「ポルシェガレージ」も併催

ポルシェオーナーやファンに向けた特別なイベント

 ポルシェが初めて自車の名前を冠したモデル、356を発売してから2023年で75周年を迎えたことを記念して、2023年6月3日(土)、4日(日)の2日間にわたり、千葉県のポルシェ・エクスペリエンスセンター東京にて「ポルシェフェスティバル」を開催した。

 台風2号の影響があったにもかかわらず、2日間の参加者数は3019人(1日目:1381人、2日目:1638人)、参加台数は618台(1日目:278台、2日目:340台)と賑わいをみせた。

 ポルシェジャパンの代表取締役社長フィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ氏が挨拶を行い、「日本には素晴らしい状態のクラシックカーがたくさんあります。これは日本市場の特徴のひとつでもあり、ポルシェジャパンはこの歴史と伝統を育んでいく活動を今後も継続してまいります」とコメントした。

 そして、ポルシェジャパンは新たなふるさと納税の品も発表した。その内容は、最新のポルシェ同乗体験と施設内に併設される「レストラン906」のランチ。これは会場となったポルシェ・エクスペリエンスセンターがある千葉県木更津市の返礼品として設定され、EVのタイカンの同乗体験とランチペアチケットが寄付額7万円、スポーツカーの911カレラの同乗体験とランチペアチケットが寄付額8万円でそれぞれ展開される。

 そして、日本初公開となる「911ダカール」と「新型カイエン」がお披露目された。

 911ダカールはスポーツカーの911をベースに、悪路走行を想定して車高を911カレラのスポーツサスペンション装着車よりも50mm上げて、4輪駆動システムやオフロードタイヤを採用。世界限定2500台という希少なモデルだ。

 一方の新型カイエンは、先日マイナーチェンジを行ったばかりで、マトリクスLEDヘッドライトやワイドになったフェンダーなどにより、エクステリアデザインを現代的にアップデート。インテリアは12.3インチのデジタルメーターパネルや12.6インチのポルシェコミュニケーションマネジメントセンターディスプレイなどのデジタル化によって、より先進的になった。

 また、1982年にポルシェ956グループCを操り、パリ・ダカールラリー優勝とル・マン24時間レースで6度の優勝を経験したレースドライバーのジャッキー・イクス氏が登壇。当時のパリ・ダカールラリーを振り返り、「1万4000キロもの距離を3週間かけて走破して、山脈や砂漠といった道なき道を時速200キロ近い速度で走るというのは地球上でもっとも過酷なレースと言っても過言はないです。そんななかをスポーツカーで走り切るのはポルシェにしかできないことです」と語っていた。

 登壇後にポルシェジャパンのフィリップ社長からの要望で、壇上の911ダカールのフロントボンネットにサインをした。この車両は、ポルシェジャパンの広報車両として各自動車メディアに貸し出される予定だ。

オーナーカーに賞を贈る「ポルシェガレージ」も併催!

 ドイツ本社のセールスおよびマーケティング担当取締役デトルフ・フォン・プラテン氏も登壇し、「ポルシェというブランドが過去の伝統のみならず、未来に向けてのビジョンも実現できているということを、今日この場に集まっている皆さまが証明してくださっています。皆さまがガレージを拡張しなければいけなくなるほどたくさんの魅力的なモデルをこれからもローンチし続けるとともに、電動化も積極的に進めていきます」と語った。

 ポルシェフェスティバルの会場内には、アーティストのダニエル・アーシャム氏が手がけたカスタムモデル「RWBA」を展示。日本のポルシェ専門チューナーの「ラウヴェルト・ベグリフ(RWB)」とのコラボレーションで生まれたモデルで、タイプ964のポルシェ911をベースに、フラットノーズにホワイトのボディカラー、アーシャム・グリーンのレザーインテリアで仕立てられたことで、シンプルでクリーンな印象に仕上がっている。

 アーシャム氏は「湾岸ミッドナイト」や「彼女のカレラ」といった漫画などの日本のストリートカルチャーから影響を受けており、イベントでは「彼女のカレラ」の作者・麻宮騎亜さんによるRWBAを題材にした4ページの漫画をパネルで公開。主人公の3人をモチーフにしたラッピングカーも展示された。

 また、イベント両日にわたって全国各地から来場したオーナーの愛車に賞を贈る「ポルシェガレージ」も併催された。ポルシェジャパンが選ぶ「エキサイティング/パフォーマンス/ヘリテージ」の3部門、観客投票によって選ぶ「パッション/カラフル」の2部門を設定。2日間で合計10台の受賞車が選出された。

 さらに、ポルシェ本社が監修しているメディア「Type7」の編集長テッド・グシュー氏が来場。Type7は新たなポルシェファンを生み出すためのデイリーマガジンで、不定期で雑誌も制作している。今回は、2023年4月26日に出版した世界限定2000冊の第4号を販売しており、そのなかで特集されたレーサーの生沢 徹氏も同日に来場。ふたりによる特別対談やサイン会も実施された。

 こうしてアジア最大のポルシェコミュニティイベントとなる「ポルシェフェスティバル」は盛況のうちに幕を閉じた。2024年はポルシェのアイコンである911が誕生60周年を迎えるから、来年の記念イベント開催にも大いに期待したい。