産業用配管調査ロボット「配管くん」を使い、設備会社向けのデジタルトランスフォーメーション(DX)を手がける弘栄ドリームワークス(山形市)が、配管調査ロボの活用支援にとどまらず、同行営業から施工後の報告書作成までパッケージ化し、支援メニューとして提供を始めた。サブスクリプション(定額利用)形式で提供する。

 同社は2020年に調査ロボ「配管くん」を開発。現在はロボットタイプと内視鏡タイプなどがあり、直径2.5センチからの配管に対応する。カメラと位置計測センサーを搭載し、配管の中を自由に動き回って配管内の映像と位置情報を取得して図面を作る。人の目では見えない故障や損傷の状態を確認できるため、壁を壊したり、土を掘ったりして調べる手間が省ける。

 人工知能(AI)漏水診断システム、営業支援サービスも用意した。自社活用だけではなく、全国の設備会社にもプラットホームを提供し、経費削減を支援してきた。

 ただ、操作が複雑なイメージがあるほか、営業方法の不明瞭さから十分なニーズを得られず、技術的優位性を生かし切れていなかった。トータル支援サービスにより設備会社は配管くんの導入が容易になり、顧客からの直接受注も可能になるため、売り上げ向上が見込める。リニューアル工事やメンテナンス業務での需要も見込む。

 7種類の支援メニューがあるサブスクサービス費用は10万円で、このほか入会金30万円、月会費月2万円(作業費別途)が必要。サービス開始を記念して現在、サブスク費用を半額の5万円にするキャンペーンを展開している。

 船橋吾一会長は「革新的技術を自社だけでなく同業者にも使ってもらい、業界全体を元気にしたい」とする。問い合わせは同社023(616)5735。