【ソウル聯合ニュース】韓国政府は21日の閣議で、昨年の水害で行方不明者を捜索中だった海兵隊兵士が殉職した事故に絡んで捜査に圧力がかけられた疑惑について政府から独立した特別検察官に捜査させる法案の再議(審議やり直し)要求案を議決した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が承認すれば、国会は同法案の再議を行う。尹大統領の再議要求権(拒否権)の行使期限は22日までだ。  

 同法案は2日、国会で過半数を占める最大野党「共に民主党」主導で可決した。尹大統領は9日の記者会見で、この疑惑を巡る捜査状況を見極める考えを示し、関係官庁の意見などを確認した。

 尹大統領は21日にも再議要求案を承認する見通しだ。就任からの2年間に、既に9件の法案について拒否権を行使している。

 与党「国民の力」は同法案を受け入れられない立場を明確にしている。一方、共に民主党は尹大統領が拒否権を行使した場合、28日の本会議で採決を行う。憲法によると、大統領が拒否権を行使した法案が再び可決されるためには「在籍議員の過半数出席と出席議員3分の2以上の賛成」が必要となる。同党は否決されれば次の国会で第1号法案として再可決を目指す方針だ。