2024/6/14 13:41

富士そば「低価格がウリ」なのに…「2300円の玉子丼」を始めた「シンプルすぎる理由」

びっくり

手ごろな価格がウリのセルフ式そばチェーン「名代富士そば」。

そんな富士そばが2300円の「DX柔らかポークの薬味たっぷり玉子丼」を発売したことが話題に。
「富士そば 秋葉原電気街店」限定のメニューで、同店舗では「DX薫るトリュフソースの角煮スライス丼セット」(1200円)も提供。
立地的に外国人観光客が多い店舗だけにSNS上では「インバウン丼」と呼ばれている。

白飯に卵と豚肉が乗るシンプルな丼物にしては強気な価格設定で、低価格がウリの「富士そば」が割高な価格の料理を提供し始めた理由はなんなのか。

外食チェーン関係者はいう。

「一昔前の立ち食いそば屋を知っている人たちは『だいぶ高くなった』という印象を持つだろうが、『安くはない』水準といえる。他のセルフ式そばチェーンと比べて安いというわけではなく、『ゆで太郎』と違って基本的には全店共通の無料クーポン券などはない」

「牛丼チェーンに行けば400円ほどで牛丼をがっつり食べられるし、『かつや』に行けば、ほぼ同じ価格でもっとクオリティの高い『カツ丼』が食べられ、富士そばは選ばれにくくなっていると感じる。先日、ある店舗で『もりそば』を食べたが、つけ汁がキンキンに冷えすぎていて、そばの麺もパサパサで、お世辞にもおいしいとはいえず、420円でも損をしたと感じた」

「もっとも、世間的には『そば=安い』というイメージがあるが、昨今の原材料価格の高騰を受けて、そばの原価が上昇しているという致し方ない要因があるのも事実」

まず、この玉子丼の2300円という金額の妥当性をどう評価すべきか。
東京未来倶楽部(株)代表の江間正和氏はいう。

「一般的な飲食店の材料費率は約30%ですので、2300円だと材料費は690円くらいということになり、これが最初の判断基準ラインになります」

「そして、他では食べられないメニューなのか、素材に希少性はあるのか、自宅でつくれるか、つくるのが面倒か、味はどうか、など、お客さんの心理的な要素が加わり、高く感じるか安く感じるかが判断されることになります」

「2300円で販売するからには、材料の質や手間など相応の理由があるのだと思います。もちろん、観光地価格的なインバウンド価格、話題性のための料金設定など、プラスアルファの部分で割高に設定されている可能性もありますが、食べた人の判断によるでしょう」

インバウンド価格が高価格である理由は一体何か。

「「理由はシンプルで『そのほうが儲かるから』です。イートインの場合、席数が限られているので『できるだけ高く、より多く売る』ほうが儲かります。ランチタイムに1000円のランチを40食売ると4万円の売上で、1500円のランチを30食売ると4万5000円の売上となります。販売数が減っても売上は増えますし、労力や諸経費も減ったりします。また、店舗の全商品をインバウンド価格にするのはリスクが伴いますが、一部インバウンド価格の商品を用意して、お客さんに選んでもらうのであれば、選択肢は広がり利便性が増すことになります。質のいいものを使ったり、ボリュームを増したり、正当な理由があってお客さんが納得するような高額商品なら、日本人でも選ぶ人もいることでしょう。しかし理由のない『ぼったくり』のような商品でしたら、国内のみならず海外にもインターネットやSNS上の口コミによって悪い評価が広まりマイナス効果が生じるため、適正価格で勝負したほうがよいでしょう」

以上、詳細はBusiness Journalをご覧ください。

富士そば、2300円のインバウン丼は「ぼったくり」ではなく適正な価格…理由 | ビジネスジャーナル富士そば、2300円のインバウン丼は「ぼったくり」ではなく適正な価格…理由 | ビジネスジャーナル

編集者:いまトピ編集部