電卓の「リセットボタン」バンバン押しちゃってない…?「これは知らなかった」

「人間は脳全体の、たった数パーセントしか使用できていない」という話を聞いた経験はないだろうか。それと同様に、多くの人々は電卓の機能をごく一部しか使用できていないのだ。
今回は、じつに半数近くが勘違いしていた「AC」(C)キーの役割について確認してみよう。
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早速だが、電卓に搭載された「AC」(C)キーを押すと「何が消去されるか」をご存知だろうか。
「AC」(C)キーの機能について、電卓検定協会の担当者は「液晶に表示された数値の消去を行います」「カシオの『AC』は、GT(直前に計算した数値の合計額を出す機能)に記憶された数値も消去します」と説明する。
そう、じつはWindowsとMacのキーボードに「名称は違うが機能は(ほぼ)同様」のキーが見られるように、電卓のキーもメーカーによって表記が微妙に異なるのだ。
まず「AC」はカシオの電卓、「C」はシャープの電卓に搭載されたキーで、いずれも「液晶に表示された数値の消去」(メモリーは消さない)という機能を持っている。
そして、なんとカシオの電卓には「今現在、表示されている数値の消去」を消す、「C」キーが搭載されているのだ。
こちらは、例えば「2000+1000=3000」という計算をしたいのに「2000+10000」と入力し、画面に「10000」が表示された際、この時点で「C」を押せば「10000」のみを消去する。
直前の「2000+」という入力内容は記憶されているため、続けて「1000」と「=」を入力すれば、何事もなかったかのように「2000+1000=」の計算に軌道修正が可能。全消去と比べ、非常にスマートなリカバリーである。
そのため、明確にシャープの「C」キーとは役割が違うのだが…キーの刻印が同じで、対象範囲は違えど「数字を消す」という機能が共通していることから、混同してしまった人は少なくないだろう。
話がより複雑になるのは、ここからである…。
電卓検定協会によると、シャープ、キヤノンの電卓に搭載された「CA」キーは「クリアオール」という意味を持ち、機能は「メモリーを含む全ての数値を消去」だという。
…お分かり頂けただろうか。カシオの「AC」キーは「液晶に表示された数値の消去」を行い、シャープ、キヤノンの「CA」キーは「メモリーを含む全ての数値を消去」するキー。アルファベットが入れ替わっただけだが、消去する対象が異なるのだ。
こうした背景もあり、電卓検定協会の担当者は「『AC』がオールクリア=全てを消去するという表示のため、メモリーも消去されると考えた人が多いのではないのでしょうか。また、メーカーによって消去するキーの名称が異なるため、混同しやすいのではないでしょうか」と分析している。
なお、シャープの電卓には「CE」(クリアエントリー)(今現在、表示されている数値の消去)が搭載されており、こちらはカシオでいう「C」キーの機能。
つまり、まとめるとカシオの「AC」キーはシャープの「C」キー(液晶に表示された数値の消去)、カシオの「C」キーはシャープの「CE」キー(今現在、表示されている数値の消去)に相当するのだ。
電卓キーを押し間違えた際はすぐさま全消去するのでなく、状況に応じて「消去」キーを使い分けてみよう。
電卓検定協会も「詳しくは、各メーカーのホームページ等で取扱説明書をご確認ください」と補足しているように、我が家の電卓がどのメーカー製なのか、確認するのも忘れずに。
以上、sirabeeから紹介しました。
編集者:いまトピ編集部