高卒採用ルール、異様…「1人1社」「内定辞退禁止」「直接交渉禁止」
少し前に、ある企業経営者のX上のポストが注目されている。
「高卒採用を増やしたいんだけど、現状の異様な高卒新卒採用ルールを変更してほしい。学生の職業選択の自由を奪っている」
高卒予定者の採用の主なルートである学校斡旋では、三者協定によって、
・学生は原則1度に1社しか応募できない(地域による)
・内定後の辞退は認められない
・学生と企業の直接交渉は禁止
といったルールがある。
こうしたルールが存在することのメリット、そして弊害は何か。
転職支援サービス会社社員は語る。
「文系学部の場合、MARCHレベル以上の大学であれば就職の選択肢は広がるので行ってもよいといえるが、下位の大学だと就職は厳しくなるのが実情」
「就職や生涯賃金という面に限って考えれば、工業高校や高校の工業系コースから大手企業に就職したほうが良いということはあるかもしれない」
そんな高卒採用では前述のルールが存在。
特に1人1社応募ルールや学校主導によって就活が進むという慣例によって、新卒者と企業のミスマッチが生じ、それが高卒新卒者の入社後3年以内の離職率が4割という高い数字につながっているという指摘も。
UZUZ COLLEGE代表取締役の川畑翔太郎氏は語る。
「よく言われている10代の学生を保護するという目的も確かにあるとは思いますが、地域から若者を流出させたくないという意図もあるのではないでしょうか」
「大卒新卒の就活と同様に企業も学生も自由に活動できる形態が広まると、就職情報サイトに募集を掲載できるような大企業や急成長の企業が有利になり、大都市に所在する企業が地方企業より少しだけ高めの給与を提示すると、高卒新卒者がごそっとそちらに流れていく可能性があります」
「方の企業・経済界がそのような事態を防ぐために、地元の高校と密接に結びついてベルトコンベヤー方式で若者を高校から地元企業に送り出す仕組みになっている印象を受けます」
三者協定によるルールが存在することによる企業側・学生側のデメリットは何か。
「学生は学校から提案された数社のなかからしか選ぶことができず、かつ内定後の辞退は許されないというのは、選択の自由を奪われています。それが入社後の高い離職率に表れています」
「また、大都市にある企業が地方を含めて全国から幅広く高卒予定者を採用しようとした場合に、このルールの存在が障壁となってしまいます」
では、企業側・学生側のメリットはあるのか。
「地元企業は高校との採用協定により毎年一定の人数の採用を確保することができます」
「学生側は選択の自由が制限される半面、大卒新卒の就活のように自分で就活のノウハウや企業情報を調べて、数多くの企業にエントリーして書類提出、筆記試験、面接をこなさなければならないという非常に重い負荷を回避できます」
以上、その他詳細はBusiness Journalをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部