「ビールじゃなければ大丈夫」痛風の大きな勘違い「1日1杯アレを飲んで」
今年も残すところあと1カ月ちょっと。
忘年会を兼ねた飲み会も増える季節だ。
週に1、2回の飲み会ならまだしも、それが週4、週5となれば、心配になるのが痛風。
「風が吹いただけで痛い」とも言われる痛風は、血液中に増えすぎた尿酸が結晶となって関節にたまり、それが関節やその周辺で炎症が起こして腫れあがり激しい痛みを伴うというもの。
尿酸は体内でプリン体が分解・合成されて作られるものだが、通常、役割を終えれば腎臓でろ過され尿と一緒に排泄される。
しかし、新陳代謝や激しい運動により体内で作られる細胞の老廃物やエネルギーの燃えかすが増え、またプリン体を多く含む食品(レバーをはじめとした内臓類、魚卵、ビールなど)を摂取することで血液中に尿酸が増えてしまう。
そんな高尿酸血症の状態を放置しておくことで発症するのが痛風発作だ。
痛風発作は経験したことのない痛みを伴うケースが多く、それが2~3日間続く場合も。
高尿酸血症を根本的に改善しなけらば、たびたび発作が起こり、このとてつもない激痛と付き合っていかなければならないのである。
酒呑みの間では、よくビールと違いプリン体が含まれていない焼酎なら大丈夫、という都市伝説があるが、むろんこれは大きな間違い。
実はアルコール自体がプリン体の生産や排出に影響を与えるため、どんな種類の酒でも飲み過ぎれば通風発作の引き金になるリスクを伴う。
しかも、居酒屋ではプリン体を含むメニューが多く、魚介類ならアジ、サバ、イワシなどの青魚、肉なら鶏の皮や豚のバラ肉、牛の脂身など、定番のつまみもそれらに含まれている。
こう書くと、それじゃ居酒屋で注文できるつまみがないじゃないか!
と目を吊り上げる人もいるだろう。もちろん、プリン体の少ない食材を選ぶことに越したことはないが、そればかり気にしていては楽しいひと時が台無しに。
そこでぜひ日頃から試してもらいたいのが、乳製品の積極的な摂取だ。
乳製品にはカゼインというタンパク質が含まれているが、これが胃腸の分解によりアラニンに変化し、そのアラニンの働きで尿酸が排泄されやすくなるという。
実際、1カ月に1杯未満の男性に対し、1日に240ml以上の牛乳を飲む男性の痛風発作頻度が46%減少したとの論文もあり、牛乳の有効性は折り紙つき。1日1杯以上を目安に牛乳を飲むだけでも、尿酸値改善が期待できるとされている。
1日1杯以上を目安に牛乳を飲むだけでも、尿酸値改善が期待できるとされている。
血液検査で、「尿酸値」の項目が7.0mg/dLになったら、まずは「1日1杯以上」の牛乳で予防を心がけること。
それが、気兼ねなく飲み会を楽しめる手助けになってくれるはずだ。
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編集者:いまトピ編集部