卵を洗うのはNG…取扱いに注意
Amazon自然卵や平飼い卵には、『無洗』と記載されているものがあります。
産み落とした状態に近いため、「買ってから洗ったほうがいい?」と思うかもしれません。無洗卵を購入した際の注意点について、改めて知っておきましょう。
■無洗卵の表面にある『クチクラ層』と衛生面の関係
自然卵や平飼い卵の中には、鶏が産み落としてから洗浄していない『無洗卵』があります。衛生面で気になる人もいるかもしれませんが、卵は洗浄しなくても食品衛生面で問題ないのでしょうか。
そんな疑問に対して、一般社団法人・日本卵業協会(以下、日本卵業協会)が公式サイトで詳しく回答していました。
洗ったり布などで拭きますと卵の表面のクチクラ層が剥がれて菌が入りやすくなります。
産まれたての卵の表面は粘液で覆われていますが、すぐに乾燥してザラザラした層に変わります。これを『クチクラ層』と呼んでいます。
このクチクラ層は、卵がヒナに孵化するまで外部から雑菌の侵入を防ぐ働きをするものです。ヒナにとっては欠かせないものであり、鮮度を維持する効果もあるため、人間の食卓にとっても助かる存在ですね。
無洗卵はこのクチクラ層を洗卵よりも長く維持できるため、愛好家も少なくありません。
ただ、衛生面では必ずしも人間の食卓に適しているわけではない、という説もあり、取扱いに注意が求められます。
無洗卵は文字の通り洗っていないため、一般的に流通している洗卵よりも汚れや菌が付着している可能性があるためです。
無洗卵が持つ菌の中には食中毒を起こすサルモネラ菌も含まれている可能性があるため、取扱いには注意したほうがよいでしょう。
無洗卵を食べる際には、殻が中の白身や黄身に触れないようにしたり、熱による殺菌効果を期待して加熱して食べたりするなどの工夫をするとよいかもしれません。購入時に販売者へ質問してみるのもよいでしょう。
■一般的な卵は殺菌処理がされている
「洗ったらクチクラ層が取れて傷みやすくならない?」という疑問を持つかもしれませんが、現在の洗卵技術は向上しており、それほど気にしなくてもよくなっています。
無洗卵も洗卵もそれぞれにメリットがあり、消費者が自由に選べるのは現代食糧事情の嬉しい一面です。卵業に関わる人々の意識や衛生面への配慮は素晴らしいものですね。
日本だけではなく、世界の食卓で愛されている卵。卵の仕組みや流通時の技術・事情を知るとさらに愛着がわくのではないでしょうか。これからもおいしくいただきたいですね。
編集者:いまトピ編集部