2024/12/11 18:47

長風呂も危険なのか…「ヒートショック」予防策に「今知れて良かった」

浴槽

歌手で俳優の中山美穂さんが、東京・渋谷区にある自宅の浴槽で亡くなっている姿で見つかったのが12月6日。8日には所属事務所が公式サイトで「検死の結果、事件性はないことが確認されました。また、死因は入浴中に起きた不慮の事故によるものと判明いたしました」と報告しているが、その状況から警視庁は、浴室に入った際の急激な温度変化による「ヒートショック」などの可能性があるとして経緯を調べていた。

 ヒートショックは、急激な温度差によって血圧が変動し、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす現象で、高齢者に限らず、どの年代でも起こり得る疾患だ。

 毎年、寒さが増す11月から4月にかけ全国各地で多く発生。厚生労働省の人口動態統計によれば、2021年度に65歳以上の高齢者が浴槽内で溺死などで死亡した数は4750人で、これは交通事故死亡者数2150人のおよそ2倍にあたるという。

 ヒートショックが起こる要因の一つは、まず寒い部屋や脱衣所から、暖かい浴室や浴槽に入り、そこで血圧が急激に変動。頭が痛い、あるいは重いと感じたあと、浴槽の中で体が温まってくると今度は血圧がドンと一気に下がり、浴槽の中で意識がなくなるというものだ。加えて、風呂場から寒い脱衣所に戻ってきたあと、再び急激に血管が広がったり縮んだりすることで血圧が変化し、それもヒートショック発症の要因となっている。そのため、特に冬場は浴槽の中だけでなく、入浴する前後も引き起こすリスクが高くなるということを忘れてはならない。また、今年の冬は昨年よりも厳しいとの予測も出ており、もちろんそれだけ注意を払うことが必要になってくる。

 一般的にヒートショックの発症リスクが高い人は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病があり動脈硬化が進んでいる人と思われがちだ。確かにその側面はあるものの、一方で飲酒後や食後、医薬品服用後すぐに入浴したり、逆に水分をまったく取らないままの入浴、あるいは42℃以上の極端な入浴温度で長くお湯に浸かるなどした場合には、動脈硬化に関係なく発症するリスクは必然的に高くなる。

 さらに、入浴する時間帯にもリスクが潜んでいいるとされる。冷え込んでいる早朝、まったく体が温まっていない状態で脱衣所から湯船に入れば、ヒートショック誘発のリスクも高くなる。いずれにせよ、浴室と脱衣所を温めるなどして、できるだけ部屋と浴室の温度差を減らすよう心がけること。入浴前にシャワーを2~3分かけ流すだけで浴室はかなり暖まるため、これを事前にやっておけば効果はあるはずだ。

 もちろん、いきなり浴槽に浸かるのではなく、まずは手から足、全身へとかけ湯をしてから湯船に入ること。また、水分を取らずに入浴すると、血液の粘り気が増し血栓ができやすくなる。そのため入浴前には必ずコップ1~2杯の水分を飲んでおくことをおすすめしたい。そして、心臓に負担をかけないよう湯温は41℃以下が適温。お湯につかる時間は10分までを目安にし、長時間の入浴を避けること。それが、ヒートショックのリスクから身を守る対策になるはずだ。

以上、アサ芸ビズから紹介しました。

寒さ厳しい今年の冬は特に警戒「ヒートショック」予防策  |  Asagei Biz-アサ芸ビズ寒さ厳しい今年の冬は特に警戒「ヒートショック」予防策 | Asagei Biz-アサ芸ビズ

編集者:いまトピ編集部