船井電機、最悪の結末か
10月に東京地裁に破産手続きの開始を申し立てた一方、12月に代表取締役会長が東京地裁に民事再生法の適用を申請するという異例の事態が生じている船井電機。
その破産申し立て側の関係者が、主力事業であるテレビ事業を中国企業に売却する交渉を進めていると報じられている。
今回、破産申し立て側の関係者がテレビ事業を売却する交渉を進めている相手は、中国家電大手の創維集団(スカイワース)だ。
M&Aに詳しい金融業界関係者は語る。
「中国企業への売却の話を聞いて、『あ、なるほど』と納得しました」
「要は船井電機から吸い取れるだけ現金を吸い上げて、もう吸い上げるものがなくなった段階で最後にテレビ事業を売っぱらって退散するという魂胆でしょう」
「テレビ事業を売却した後の船井電機には、ほぼ何も残らないため、法人としては消滅するしかありません」
「事実上、船井電機が中国企業に売り払われることになり、最悪の結末といえるかもしれません。おそらくは全て最初からおおよそ描かれていたストーリーでしょう」
「百歩譲って船井側にメリットがあるとすれば、テレビ事業の経営権が中国企業に取られるものの、全員ではないとしても従業員の雇用は維持され、いったんは支払われないと通知された未払い分の給与が支払われる可能性が出るという点でしょう。その意味では、全体でみると当初の単なる破産というかたちに比べるとソフトランディングといえるかもしれません」
「気になるのは、テレビ事業売却の交渉を進めているのが破産申し立て側の関係者という点です。破産の申し立てを行った人物はすでに取締役から外れているとみられ、そもそも交渉を進める権限を有しているのかが疑問です」
別の金融業界関係者は語る。
「破産を申し立てた関係者は当初、なんらかの理由でとにかく早く会社を閉じようと動いていたものの、蓋を開けてみると、閉じるにも税金の支払いや債務の返済などいろいろとお金がかかるのに加え、給与未払いの上で解雇された元従業員から集団訴訟を起こされるリスクなどもあるとわかり、慌ててテレビ事業を売却してキャッシュをつくろうとしているのかもしれません」
船井電機の行き着く先は一体何処なのか。
引き続き注目が集まる。
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編集者:いまトピ編集部