安い食材、がゴロゴロある場所「激安メシで生き残るしか」

より安いメシを求めて東京・大久保のエスニックタウンに向かったのは、あるフードライターのこんな一言がきっかけだった。
「大久保周辺といえばコリアンタウンと認知されていますが、ベトナムやネパール、ミャンマーなどから多くの外国人が流入。彼らが利用するスーパーには激安食材が並んでいますよ」
大久保駅から徒歩1分の場所にあるスーパー「N」は多くの客でごった返していた。店内には異国語が飛び交い、もちろん、日本語の説明書きもない。
レジのすぐ前で目についたのはインディカ米だ。値段を見ると5キロで3500円(税込み)。一般に白米として流通するジャポニカ米(短粒米)より500円以上は安い。冷凍コーナーを覗くと、ブラジル産の冷凍丸鶏(800グラム)が500円で売られ、さらに店の軒下ではネパールの即席インスタント麺に「10PC/¥500」という衝撃価格がつけられていた。
気になるのはインディカ米の味だ。5キロの袋を持ち帰り、日本の白米と同様に炊飯器で炊き上げる。これにレトルトカレーをかけて実食したのだが、白米に比べてひと粒ひと粒が細長いため、口に入れた際の違和感は否めない。パサパサとした食感も気になり、1日3食インディカ米で通すのは無理がありそう。だが、こんな方法をフードライターが紹介する。
「独特の香りが気になる人は、鶏ガラスープで炊き上げるといいかもしれません。オススメはチャーハン。エビやイカなど魚介との相性がよく、日本の白米よりパラパラに仕上がっておいしいですよ」
インディカ米は世界のコメ生産量の約8割を占める。来る食糧危機を見据え、今から食べ慣れておいてもいいだろう。
さて、〝安くてナンボ〟を美徳とする大阪の人たちはどんな食生活を送っているのか。在阪グルメライターの高田強氏が実情を教えてくれた。
「最近は、大阪にも『コストコ』のような大型スーパーや『トライアル』や『ロピア』といったチェーンが進出してきました。こうした店舗の生鮮食品や惣菜は、メガパックの商品ならグラムあたりの値段は安くなるのですが、一般家庭ではとても食べ切れない。そこで、複数の家族が共同で購入してシェアするなど、工夫をしています」
そんな大阪人の強い味方となっているのが、「激安」を掲げたド派手な看板と「1円セール」で知られる「スーパー玉出」だ。大阪市内を中心に20店舗を展開しているが、激安商品を提供し続けるのも楽ではないようだ。広報担当の仲村智美さんが明かす。
「正直、お米だけではなく、全部門で物価高の影響を感じているのが実情です。特に最近では、短期間で複数回の値上げをする商品が目立つので、仕入れの商談の際は、常に目を光らせて交渉を頑張るようにしています(笑)」
39円セールや98円セールに加え、アプリとLINEを使ったクーポン割引が大好評とのことだが、スーパー玉出といえば、〝超〟が付くほどリーズナブルな惣菜やボリューム満点の弁当類で大阪人の胃袋を支えてきた。
「昨年、『全国スーパーマーケット おいしいもの総選挙』のデリカ部門で、コスパ最強賞を受賞したのが158円(税抜)の『たれご飯シリーズ』。うな丼、焼肉、天丼のたれでご飯を味わうもので、当社自慢のヒット商品です。しかし、お米が値上がりしてしまっているので、以前のように130円台で提供できない状況です。ただ、主食という意味では、麺類がお買い得ですよ。ソース焼きそばは118円、ソース焼きうどんが128円。副菜になる高野豆腐の煮付けが2個入りで128円、オクラのお浸しが100円です。こういったメニューを夕飯の一品に取り入れてもらうだけでも食費をおさえられると思います」(仲村さん)
どうにか維持しているお値打ち価格は、長年、付き合いのある仕入れ先のサポートや、食品ロスを出さない工夫の賜物だという。
以上、アサ芸ビズから紹介しました。
編集者:いまトピ編集部