アレをトイレに流すのは「絶対に…」約40分は水中で生存可能「再侵入するぞ」

夏は害虫の活動が活発に。特に、家の中に出没するゴキブリには悩まされますよね。
なんでもすぐに退治して視界から消そうと、トイレに流す人もいるようです。
果たしてその処理方法は正しいのでしょうか…。
福岡県宗像市にある、林外科・内科クリニックの林裕章理事長に話をうかがいました。
林理事長によると、ゴキブリは、死骸・糞・抜け殻までもが強力なアレルゲンとのこと。「室内から速やかに除去すること自体は重要です」と指摘したうえで、次のように注意喚起。
「ゴキブリは、体側にある呼吸用の穴『気門』を閉じ、約40分は水中で生存可能で、トイレに流しても死にません。
生きたゴキブリをトイレに流すと、下水道で生き延びた個体群が増殖。排水管経由で、家に再侵入する可能性があります。」
直接手で触らないよう、トイレットペーパーを重ねた状態でゴキブリを捕獲した後、そのままトイレに流すのは得策ではないよう。
大量の卵をカプセルのように包んで保護する『卵鞘(らんしょう)』の問題もあり、ゴキブリのメスをトイレに流すと、下水道内で卵が孵化(ふか)する恐れがあるとか。
また、絶命したゴキブリでも、水に溶けない物体を流せば排水管が詰まることも。
どうやら流すのは望ましくないようです。
では、どのような処理方法が適しているのでしょうか。
「公衆衛生上も昆虫学上も、『生きたままトイレに流す』は絶対に避けるべき。
安全・確実なのは『確実に絶命させ、密封して可燃ゴミ』に出すことです。」
【具体的な手順】
1. 害虫用『瞬間冷却スプレー』の使用や、物理的に叩くなどして、確実にゴキブリの動きを止める。
2. 素手でゴキブリに触れないよう、ティッシュや紙コップを用いて回収し、チャック付きの袋に入れて可燃ゴミへ。
3. 食品の残りかす、水分源を断ち、家の隙間をコーキングする。頻繁にゴキブリが出る場合は、殺虫成分を含む毒餌(ベイト剤)や、専門業者による『総合的有害生物管理(IPM)』を検討。
『IPM』とは、有効かつ適切な技術を組み合わせ、人の健康に対するリスクと、環境への負荷を最小限にとどめる方法で、有害生物の管理対策をすること。
殺虫剤に頼りすぎると、耐性を持つ個体が現れることも。きちんと害虫の生態調査を行い、総合的な対処方法を取れば、低リスクで害虫を防除できます。
とはいえ子供やペットがいる家庭では、殺虫剤の使用は控えたいもの。
林理事長は、手指消毒などに使われる、高濃度アルコールスプレーを噴射して、ゴキブリを退治する方法を挙げます。
少し時間をおけば揮発するため、「周囲への影響が少なく、即効性もあり効果的」とのこと。
散布が薄いと、ゴキブリが復活する可能性が高いので、体表からアルコールがしたたるほどかけるのがポイント。
窒息と麻酔に似た効果で、数十秒から数分で運動不能になるようです。
石鹸や洗剤をかけても似た効果が得られますが、アルコールなら比較的場所を選ばず噴射できてよさそうですね。
アルコールで運動不能に陥ったゴキブリは、潰すなどした後、チャック付きの袋に入れて、可燃ゴミに出せばOK!
より適切な方法を取り入れてみてくださいね。
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編集者:いまトピ編集部