マクドナルド「臨時休業」は世界規模で起こっていた…これが「〇〇の盲点」

15日、マクドナルドでシステム障害が発生し、注文用のアプリや店舗レジ端末が利用できなくなり、多くの店舗が臨時休業となった。
15日午後に、店内でお客が注文するためのアプリ「モバイルオーダー」、デリバリー注文用の「マックデリバリー」、さらには店舗レジ端末も使用不可となり、クレジットカードやキャッシュレス決済アプリでの支払いができない状況に。
一部店舗は手作業で現金支払いの対応を続けていた。
同日夜には一部の店舗が営業を再開したものの、日が明けて16日午前10時現在もアプリ「モバイルオーダー」「マックデリバリー」が「メンテナンス中」であるとして利用できない状況が続いている。
今回のシステム障害で注目されているのが、同じタイミングでイギリス、オーストラリア、韓国、台湾、香港、タイ、カナダ、ドイツ、ニュージーランドなど海外のマクドナルド店舗でも同様の障害が発生したという点。
米国マクドナルド社は原因について「サイバー攻撃によるものではなく、採用しているサードパーティ製システムが実施していた変更作業によって引き起こされた」とだけ説明。
「何らかのテスト漏れや想定外の事態が起きた可能性があります」と話すのは、ITジャーナリストの山口健太氏。
「マクドナルドの店舗は、現在では客はスマホのアプリでオーダーしてカードやPay系で支払い処理を行うという形態が主流となっている。その前提での店舗のつくりやオペレーションになっており、すでに現金支払いは例外的な位置づけ。
キャッシュレス決済のシステムが落ちるとオペレーションが回らず休業にまで追い込まれるというのは、キャッシュレス対応が進んだ店舗の盲点が露呈したともいえる」(大手SIerのSE)
「2024年からはグーグルと提携し、クラウドや生成AIを活用してシステムを刷新していく方針ですが、ITへの依存度が高まることで障害が起きたときの対応方法がより重要になりそうです」(山口氏)
「全世界共通の基盤を運営してデータ分析・マーケティング精度向上・業務効率向上・売上向上を図るというのはメリットがある一方、システムが巨大になり過ぎて障害発生時の影響が大規模化かつ長期化するというデメリットもある。全店舗が丸一日休業するような障害が年に複数回起きれば、それだけで数十億円単位の売上損失につながり、システム投資による利益改善分が吹き飛ぶことも想定され、費用対効果の評価は難しいところだ」(前出SE)
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編集者:いまトピ編集部