2024/2/12 22:25

公開3日で興行収入が約5億3400万円『映画』いろいろとお粗末「作品の大切な部分が損なわれている」

悩む

1月19日より実写映画『ゴールデンカムイ』の上映が始まった。公開3日で興行収入が約5億3,400万円に達するスタートダッシュを切っており、ファンからの評判は上々のようにも見えるものの、映画ライターのあいだでは厳しい評価も上がっている。

映画は、野田サトルが『週刊ヤングジャンプ』で連載していた大ヒット漫画「ゴールデンカムイ」が原作。謎に満ちたアイヌの埋蔵金をめぐって、元軍人の杉元佐一やアイヌの少女・アシリパ、第七師団の鶴見中尉や元新撰組の土方歳三などが争奪戦を繰り広げていく。

基本的にマンガの実写化は酷評されることが多いが、原作ファンからは絶賛の声が飛び出しており、ネット上では《映画館でもう1回見たいぐらい最高だった》《大満足でした…全人類みてほしい…》などと言われている。

「ファンたちは絶賛ムードなので言いにくいのですが、シナリオやアクションシーンのクオリティは高いものの、映画として見るといろいろとお粗末な部分があることを指摘せざるを得ません。

よくもわるくも“ファンに叩かれないように上手く作ろう”という考えが徹底しすぎていて、原作にあった情熱や勢いが失われているように見えるからです。『ゴールデンカムイ』に登場する男たちはいずれも怖いくらいの狂気を秘めており、それが内面から迸るド迫力の瞬間が見どころとなっていますが、実写版は上品というか、お行儀のいい作品に落ち着いていますね。

また、大自然を舞台としているにもかかわらず、登場人物たちの衣装がやけに清潔感があり、小ぎれいなままであることも没入感を損なっています」(映画ライター)

また実写版「ゴールデンカムイ」の最大の問題点は、キャスティングにあるという。

「今回、主人公の杉元役を演じているのは、数々の実写化作品でお馴染みの山﨑賢人。実写化で重宝されているのは、ハマリ役かどうかというよりも、プロデューサーの意向や所属事務所と配給会社の関係性が大きく影響しています。

『ゴールデンカムイ』の物語は戦争で心が壊れた元軍人たちと、アイヌの人々を軸としており、本来キャスティングには高度な判断が求められるはず。しかし商業的な判断でキャスティングが決められてしまったことで、そうした作品の大切な部分が損なわれているように見えるのです」(同)

キャスティングに関しては、劇中にアイヌ民族の人々が多数登場するにもかかわらず、アイヌをルーツとした俳優がほとんど起用されていないことが賛否を呼んでいる。アイヌ工芸家が衣装の制作に携わるという形で関わってはいるものの、“それだけでは十分でない”という意見も多いとまいじつは報じた。

実写版『ゴールデンカムイ』従順ファンは大絶賛も…“いつもの残念実写化”で終わった理由 - まいじつ実写版『ゴールデンカムイ』従順ファンは大絶賛も…“いつもの残念実写化”で終わった理由 - まいじつ

編集者:いまトピ編集部