中田翔(36)またも無償トレードか

ソフトバンク・小久保裕紀監督が、巨人・秋広優人に続いて中日・中田翔の獲得に乗り出している。これに中日は「無償トレード」で応じる方針だという。福岡で“師弟復活”の舞台裏を独走スクープ!
巨人の秋広優人、大江竜聖とソフトバンクの砂川リチャードの交換トレードが両球団から発表された翌日の5月13日、中日に微妙な動きがあった。
巨人時代に秋広の師匠だった中田翔が、突然、出場選手登録を抹消されたのだ。
それも同日のヤクルト戦の試合会場、豊橋市民球場にチームバスで移動しながら、練習から外す慌ただしさ。
井上一樹監督によれば、腰痛が理由だという。急きょブライト健太(’21年ドラフト1位入団)を昇格させ、起用している。
今季の中田は「6番・一塁」で開幕スタメン出場し、4月19日のDeNA戦で今季チーム本拠地初本塁打を放つなど、ベテランの存在感でチームを支えてきた。
故障の兆しもなく今回の登録抹消は“青天の霹靂”と言える。
実はソフトバンクが中田の獲得に動いているという。それも孫正義オーナーの肝入り案件で。
「ソフトバンクはチャットGPTを手がける米オープンAI社に約5兆9000億円を追加出資しており、孫オーナーのAIへの評価と期待は絶大なものがある。
そのAIが秋広と中田の師弟コンビが再結集すると“化学反応”が起き、戦力を欠くチームに好影響を与えると。この未来予想図が今回の師弟コンビ復活の背景にあるのだ」(地元テレビ局の記者)
今季のソフトバンクのつまずきは、近藤健介、柳田悠岐、周東佑京など、開幕スタメンの野手8人のうち、山川穂高を除く7選手が離脱しているのがすべて。
AIは戦力が整うまで“劇薬・大将”投入の荒療治が必要、という診断だ。
加えて小久保監督と中田は特別な関係にある。
侍ジャパン監督だった2017年のWBCで4番を任せ、4年にわたってチームを支えたのが中田。「大将」にとって唯一無比の指揮官だ。
その小久保監督は、中日・井上監督と同じ1971年生まれで同学年。巨人時代には中日の井上氏と切磋琢磨しているが、リーグこそ違うものの、今シーズンはお互い一軍監督としてチームを率いる中で交流を深め、情報交換も。
そのホットラインで今回のトレードを進めているという。
「ソフトバンクは若手有望株や即戦力投手を多く抱えており、交換選手の駒がそろっている。ゴネ得なのにもかかわらず、中日は無償トレードに応じる方針と聞く。それでもメリットがあるというフロントの判断です」(中日担当記者)
立浪和義前監督の最終年となった’24年シーズンの中日の選手総年俸は、12球団で4位の37億9000万円だった。
チーム成績はともかく、スタンドは満杯で黒字続きだったからだ。
しかし、井上監督にスイッチするとともに、球団は緊縮財政に転じた。
今季の選手総年俸は8億5000万削って29億4000万円と12球団で最下位だ。
「中田放出の狙いはコストカット。今季は2年契約の最終年で、年俸はチーム最高の3億円。しかし、交流戦前にソフトバンクへトレードすれば、残り試合数の関係から、約2億円の支払い義務を割譲できる。便乗放出です」(プロ野球アナリスト)
それにしても中田は極めて奇異な選手だ。
打点王3回、ベストナイン、ゴールデングラブ賞各5回。4番が指定席の看板選手だったにもかかわらず、移籍する際は毎回“無償トレード”である。
日本ハムから巨人に移った’21年は、シーズン途中で同僚選手への暴行行為が発覚し、球団から無期限出場停止処分。その際、当時の日本ハム・栗山英樹監督は巨人・原辰徳監督に相談、無償トレードをまとめた。
その巨人では3年契約最終年の’23年オフ、中田はオプトアウト権(契約破棄)を行使して自由契約となり、中日に移籍した。
今回の無償トレードが決まれば、3度目ということになる。
実は、小久保監督自身もダイエーの選手時代の’03年に球団フロントともめ、トレードを直訴。中内正オーナー(当時)の配慮で巨人に無償トレードしてもらった過去を持つ。
もう一つ見逃せないのが、日本ハム・新庄剛志監督潰しだ。
ここ数年、ソフトバンクは「福岡ファイターズ」と揶揄されるほど、日本ハム出身のスター選手が多い。
野手では、前出の近藤が海外FA権を行使してソフトバンクに移籍した。
エース格の有原航平もポスティングを利用してメジャーに移籍し、2シーズンを過ごした後に日本球界に戻り、ソフトバンクと契約。
上沢直之も有原と同じコースで渡米し、レッドソックスで登板したが、たった1年で日本球界に出戻り。古巣・日本ハムではなくソフトバンクを選択した。
その際に新庄監督が「ああいう決断を彼がして、ちょっと育て方が違ったのかなと。すごい悲しい」と、言わずもがなの一言。この発言が後輩思いの中田の心に刺さり、「ソフトバンクで新庄監督潰し」の思いを強めているという。
プロ野球は6月3日からセ・パ交流戦が始まる。
中田はDHでも代打でも使えるし、身長2メートルの秋広は一塁と外野が可能。大砲を2門増やすメリットは大きく、相乗効果も見込める。
ソフトバンクのトレードは、もう一丁ありそうだと週刊実話WEBは報じている。
編集者:いまトピ編集部