『メルカリ』が発表
メルカリで返品詐欺が相次ぎ、運営元が購入者の主張を鵜呑みにして定型的な対応を繰り返すことによって出品者が商品を取り戻せなくなるというケースが続出している問題。
メルカリは17日、リリースを発表し、「お客さまサポートの方針と体制の見直し・強化が必要であると考えております」「お客さまが不利益を被ることがないよう、随時対応をアップデートしてまいりますので、しばらくお待ちください」と説明。これについてネット上では
「具体的に何をするのか」
「意味のない声明」
「お気持ち表明」
「今までも同じようなことがあって、ずっと無視されてきた」
などと厳しい反応も目立っている。年間売上規模が1800億円以上にのぼる大規模プラットフォーム事業者であるメルカリは、なぜサポート部門の対応を起因としてこのような声明を出さざるを得ない状況に陥ったのか。また、返品詐欺への有効な対策というのはあるのか。専門家の見解を交えながら追ってみたい。
フリマアプリという市場を大きく成長させたメルカリは昨年でサービス開始から10周年を迎え、月間利用者数は2200万人以上、1秒間に売れる個数は7.9個におよび(2023年6月発表時点)、今や社会インフラのひとつといっても過言ではない。メインの利用者は若者層と思われがちだが、利用者の23%が50代以上となっており(22年時点)、幅広い年代層にとって身近な存在となっている。
メルカリの利用イメージはどうなっているのか。改めて売買取引の流れを確認してみよう。出品者は購入者による支払い完了を確認したら商品を発送し、購入者は商品を受け取り後に「受取評価」を行う。この時点で購入者が「商品に瑕疵がある」「商品説明と実際の商品が明らかに異なる」「梱包の不備により配送時に商品が破損した」といった点を確認した場合は、「受取評価」を行わずに返品して返金を受けることが可能。購入者が商品に問題がないことを確認して「受取評価」を行った後に出品者が「取引評価」を行うと、取引が完了となり、この時点で販売利益が出品者の残高に反映される。
なお、取引完了後は取引キャンセルはできないが、利用規約では、メルカリがサービスの適切な運営のために必要と認める場合は売買契約が成立した場合においても、同社は当該売買契約を取り消すことができるものと定められている。また、「ユーザー間の売買契約、出品、購入等の保証等に関しては、すべて当事者であるユーザーの自己責任とし、弊社は自ら売買を行うものではなく、売買の委託を受けるものでもありません。弊社は、本規約中に別段の定めがある場合を除き、売買契約の取消し、解約、解除、返品、返金、保証など取引の遂行には一切関与しません」とも記載している。
そのメルカリで最近、返品詐欺が相次ぎ、出品者が商品を取り戻せなくというケースが続出している。
返品詐欺の被害にあった場合、どのような対応を取るべきか。山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士はいう。
「返品と偽り、購入したモノと異なるモノを返すのは、詐欺罪(懲役10年以下)が成立します。このため、出品者がこういった被害に遭ったときは、すぐにメルカリに対し詐欺の事実を伝え、購入者情報の開示を求めるべきです。また、警察に相談し、(いろんなルートがありますが)警察からもはたらきかけてもらうのも大切です」
とのことだとBusiness Journalは報じている。
編集者:いまトピ編集部