バウアー、ソフトバンク入りか
先週の現役ドラフトで、福岡ソフトバンクホークスがDeNAベイスターズから上茶谷大河を獲得したという。
「甲斐野央(西武)、梅津晃大(中日)と共に“東洋大三羽ガラス”と称された投手で、2018年ドラフト1位でベイスターズに入団。1年目から7勝を挙げ、次世代エースに期待される逸材です。6年目の今季は左足首捻挫もあり、中継ぎで18試合登板にとどまりましたが、本来なら現役ドラフトに出る選手ではない」(スポーツ紙記者)
そんな上茶谷が現役ドラフトに登場したのは、トレバー・バウアーの「一番弟子で専属通訳」でもあるからだとのこと。
メジャー10年で通算83勝、’20年にレッズでサイ・ヤング賞を受賞したバウアーは、’21年にドジャースに年俸30億円で移籍したが、過去の性的暴行疑惑が発覚し、MLBから324試合の出場資格処分(最終的に194試合)を受け、契約解除に。その後、’23年春にベイスターズへ電撃入団している。
1年契約で年俸300万ドル(当時約4億4400万円)だったが、チーム内には「アイツには話しかけづらい」といった雰囲気があり、孤立状態に。そんな中で積極的にコミュニケーションを取り、日本語の通訳を買って出たのが上茶谷だったという。
バウアーの人気が高かった理由は、10勝した活躍もあるが、ヒーローインタビューも大きい。「ヨコハマサイコーチョー!」「ヨコハマしか勝たん」「夢叶うまで頂戦」などと毎回、日本語で印象深いフレーズを使い、ベイスターズファンの心をつかんだ。
実は、このスピーチを考えたのが上茶谷だったようで、登板ごとに新たなフレーズを教え、バウアーを陰で支え、それと引き換えにバウアーからスライダーやカットボール、スイーパーなどの変化球を教わり、’23年は46試合に登板、5勝3敗4ホールド、防御率2.11と活躍し、ハマの中継ぎエースの座を射止めたという。
「厄介な転校生のバウアーがチームに溶け込めたのは、上茶谷の気配りがあったからこそ。横浜復帰には不可欠な存在であり、重要なパーツ。それを放出するとは。これでバウアーのDeNA復帰は完全に消滅した」(DeNAベイスターズOB)
それほど重要なコマを、現役ドラフトの放出リストに載せたのはなぜなのか?
「チームの輪を大事にする三浦大輔監督が、トラブルメーカーでもあるバウアーの復帰に難色を示し、上茶谷ともども一掃。一方で、感謝の気持ちもあり、他球団でのNPB復帰の環境をアシストするのが狙いとも伝えられています」(球界関係者)
ベイスターズには今季カブスに移籍した今永昇太の譲渡金が10億円あり、獲得は可能だが、複数年となると厳しいといい、それが可能なのは、金満球団の巨人とソフトバンクで、とりわけ巨人は菅野の穴埋め役を探していたところでもあるというが、一方で、ソフトバンクも国内FAを宣言した石川柊太のロッテ移籍が決まり、和田毅も今季限りで引退し、先発補強が急務。そんな球界を俯瞰してベイスターズの南場智子オーナーは、バウアーのホークス移籍サポートの策に。それがあうんの呼吸で実施された上茶谷譲渡だという。
スポーツ紙の報道では代理人レイチェル・ルーバー氏が複数の日本球団と交渉していることを明かし、バウアーの移籍先はDeNAが最有力候補としているが、これは契約金をつり上げるのが狙いだといい、
「案の定、巨人は中日の絶対守護神マルティネスを獲得し、4年契約で合意した。DeNAの微妙な動きを見て、バウアーはソフトバンクと判断したことが背景にある」(巨人担当記者)
という。
その橋渡し役となった上茶谷は、現役ドラフトを前にメキシコのウィンターリーグに参加。ホークスからの指名は現地で球団から通達されたというが、連絡がつかず、発表が1時間遅れるハプニング。おそらく、この間に米アリゾナに滞在中のバウアーと連絡を取り合っていたのかもしれない。
その後、「新天地で活躍する姿をDeNAファンに見せられるよう頑張りたい」と球団を通じてコメントし、移籍が決定。同時にバウアーのソフトバンク加入も、さらに濃厚になったとみる向きも多いと「週刊実話WEB」が報じている。
編集者:いまトピ編集部