『テレビ東京』、名誉毀損&人権侵害か「今後は放送しないことを発表」
テレビ東京が昨年(2023年)3月に放送した『激録・警察密着24時!!』で不適切な内容があった問題。コピー商品を販売する業者が人気アニメ『鬼滅の刃』を連想させる不正な類似品を販売していたとして、愛知県警が不正競争防止法違反容疑で逮捕するまでを密着したものだが、逮捕された4人のうち3人はその後に不起訴になった事実を、一部スタッフは認識していたにもかかわらず番組内で伝えていなかった。警察署内での捜査員の会議シーンについて、事後に捜査員が演じて撮影したものであるにもかかわらず、再現シーンである旨を明示していなかった。また、この事業者がアニメのキャラクターを描いた商品の制作を中国の事業者に発注していたとナレーションで説明していたが、事実の有無を確認していなかった。元日本テレビ・ディレクター兼解説キャスターで上智大学文学部新聞学科教授の水島宏明氏は「警察権力とメディアが一体化した『やらせ』ともいえる事案」と指摘する。
事件の内容と番組の報道内容から当該販売事業者の人物が特定される可能性があるといい、事業者の4人の代理人はテレビ東京に対して「捏造を認め、真摯に謝罪すること」「訂正する文書をホームページに掲載すること」などを要求。テレ東は今年5月末、不適切な内容があったとして謝罪し、石川一郎社長、加藤正敏常務(当時)の報酬の一部返上と、今後は同番組を放送しないことを発表した。
事業者の4人はテレ東による「名誉毀損」「人権侵害」があったとしてBPO(放送倫理・番組向上機構)の放送人権委員会に申し立てを行い、同委員会および放送倫理検証委員会で現在もそれぞれ審理と審議が続いている。番組では事業者の人物が逮捕される直前に抵抗する様子が放送され、「逆ギレ」「被害者面」「人気キャラクラーに便乗して荒稼ぎ」といったテロップやナレーションが使われており、4人は名誉を著しく毀損されたと主張している、とビジネスジャーナルが報じた。
編集者:いまトピ編集部