29日、日本代表の辞退を発表「理由は遠征費用の自腹」
1月29日、日本代表に選出されるも辞退したことをSNSで公表したバドミントンの渡辺勇大選手。その理由について「遠征費の自己負担」と明かしたことが大きな話題となっている。
中学時代からコンビを組む、五十嵐(旧姓・東野)有紗選手との混合ダブルスは“わたがしペア”として知られ、世界ランキング1位になったことも。21年東京五輪、昨年のパリ五輪で2大会連続銅メダルを獲得したが、五輪後にコンビを解消。その後、23年世界ジュニア選手権女子ダブルス覇者の田口真彩選手を新たなパートナーに迎えたが、最新のミックスダブルス世界ランキングは97位(※1日28日時点)と日本人ペアでは5番手に低迷していた。
「バドミントン協会が財政難に陥り、昨年9月からランキング上位の選手しか遠征費用を出さなくなったんです。企業などに所属するアマチュア選手なら会社が遠征費用を負担してくれますが、渡辺選手はプロ選手なので、自腹で用意する必要がある。特に彼は昨年結婚したばかり。そうした事情も勘案して辞退に至ったかもしれません」(スポーツライター)
実は、五輪メダリストのような実績十分の選手でも、国際大会出場は自己負担というケースは他の競技でも珍しくない。パリ五輪フェンシング女子フルーレ団体で銅メダルを獲得した宮脇花綸選手は、過去にインスタグラムでファンからの質問に答える形で「海外8大会はほぼ自腹」「協会スポンサーはいつでも大大大募集中です!!!」と投稿。苦しい台所事情を訴えている。
「海外遠征の往復の航空券代はエコノミーでも大きな出費ですし、ホテルも国によっては中級クラスで1泊2万円前後なんてケースはザラです。食費は自炊すれば切り詰められますが、海外保険料のほか、トレーニング施設の使用料、大会参加料など思った以上に出費は多い。今は物価高や円安の影響もあり、遠征先が北米や欧州だと1回で100万円前後かかることもあります」(同)
しかも、五輪以外で注目を集める機会が少ない競技だと個人や協会どちらもスポンサーが集まりにくい。少なくとも世界の頂点を狙える可能性のある選手がお金を理由で国際大会の出場を断念するほど悲しいことはない。
どの競技にも言えることだが、選手が大会に出場できるよう支援の枠組みなど、しっかり整えてほしいものだ、とアサ芸ビズが報じている。
編集者:いまトピ編集部