一刻の猶予も許されない…これまでに3人が死亡、11人が重軽傷を負う大惨事

4月26日に栃木県那須塩原市の東北自動車道上り線で発生した「逆走」事故は、これまでに3人が死亡、11人が重軽傷を負う大惨事になったという。
事故を起こした運転手は、最初の車に接触した後も約2.7キロに渡って逆走を続け、その後、別の車と正面衝突。しかも、ノーブレーキで突っ込んだと見られているとのこと。
事故を起こした車は「黒磯板室インターチェンジ(IC)」から反対車線に侵入していることから、SNSでは「ICの構造」に問題があるのではないかという声が相次いでいるようだ。
同ICは入口ゲートを通過後、上下線が平面交差しており、信号機によって進行が制御されているといい、道路は青色と赤色で色分けされており、通常は間違うことはないはずだが、物理的に反対車線へ入ることはできるため、逆走を誘発する恐れが。また、一方通行の表示がわかりにくく、地元では以前から逆走事故の発生が危惧されていたという。
このような平面交差のICは全国に多数あり、北海道・深川留萌(ふかがわるもい)自動車道の全てのICのように、道路が色分けすらされていないケースや、中部縦貫道の高山西ICのように、信号機が設置されていない場所も。実際、高山西ICでは、2019年12月に中国人観光客が運転する車が約500メートル逆走してトラックと衝突。5人が軽症を負う事故が発生しているという
「こうしたICには、矢印付きの信号機を設置すればいい、などという意見の他、そもそも間違いを誘発する平面交差をやめるべきというものもあります。しかし、平面交差の改修には数十億円のコストがかかることから、『現実的ではない』という声も多いのです」(社会部記者)
国土交通省のデータによると、高速道路における逆走事案の発生件数は年間約190件で推移しており、そのうち約45件が事故に繋がっているといい、事故防止対策は一刻の猶予も許されない重要課題だと「アサ芸ビズ」が報じている。
編集者:いまトピ編集部