『世にも奇妙な物語』視聴率5.2%でシリーズ最低、終了説も

フジテレビのオムニバスドラマシリーズ『世にも奇妙な物語』が放送35周年を迎えることを受けて、5月31日午後9時より『世にも奇妙な物語35周年SP~伝説の名作一夜限りの復活編~』が放送されるというが、ネット上では「最近は見ていない」「つまらなくなった」という声も目立ったようだ。
『35周年SP』では、過去に放送された577本の中からストーリーテラーを務めるタモリが選んだ名作5本放送するそうで、ネット上では同番組に「タモリが何を選ぶのか楽しみ」「5本も見られるのはうれしい」などと好意的な声が上がる一方で、「昔はワクワクしたけど、最近のはオチが予想できる話ばかりでつまらない」「名作はたくさんあるけど、昔のばかり」などと同シリーズへの不満も目立つとのこと。
1990年4月にレギュラー放送としてスタートし、当初は午後8時からの1時間番組だった同シリーズ。近年、特別編の放送が告知されるたびに「つまらなくなった」という声が上がってしまう理由について、ドラマライターのどらまっ子AKIちゃんは
「『昔はよかった』という声が出てしまうのは、これはもう長寿番組の宿命ですよね。特に『世にも』は開始当時、連ドラ界において何もかもが新鮮でした。ゴールデンでオムニバスドラマが放送されること自体が珍しかったですし、ストーリーテラーという存在も、タモリのキャラクターもあってお茶の間にインパクトを与えました。加えて、恋愛ドラマ全盛の時代にホラーやサスペンスを主軸に据えたことにもワクワク感があった。
印象的な1本を挙げるとすれば、2001年の元日に放送された『SMAPの特別編』の木村拓哉編、浅野忠信主演の映画『鮫肌男と桃尻女』を撮った石井克人監督が演出した『BLACK ROOM』という作品です。鮮烈なイメージとほとばしる情熱だけがあって、ストーリーは全然、何がなんだかわからない。そういう投げっ放しが許された時代だった。石井監督のほかにも、脚本や演出には後に映画界やドラマ界を席巻するさまざまな若手が抜擢されていて、『世にも』はまさにクリエイターたちの登竜門でしたし、番組自体が壮大な実験だったといえるでしょうね。
『世にも』ファンには誰にでもそうした『印象的な1本』があって、新作は常にその視聴者個人が大切に抱いてきたベスト作品との比較になるわけですから、評価が厳しくなるのも仕方ないところでしょう。個人的には、新作は新作で楽しみたいと思いますよ」
と語る。
同シリーズは、1990年~92年のレギュラー版を経て、以降は『特別編』を年に数回放送。レギュラー時代は約1時間の中に3エピソードを詰め込み、『特別編』に移行してからしばらくは約2時間10分の放送で5エピソードを放送していたが、2016年放送の『’16春の特別編』を境に、放送時間はそのままで4エピソードに減少。そして、『’18秋の特別編』で5エピソードに戻ったものの、『’20夏の特別編』以降はまた4エピソードという構成が続いているという。
また、近年は視聴率が低迷。『’16春の特別編』は平均世帯視聴率12.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録していたが、『’17春の特別編』で初の1ケタとなる8.4%にダウン。昨年12月に放送された『’24冬の特別編』では、シリーズ最低となる5.2%まで落ち込んだといい、さらに今年8月に傘寿を迎えるタモリの“80歳引退説”もささやかれて久しいこともあり、「35周年を節目にシリーズが終了するのでは?」との指摘も一部見られると「サイゾーウーマン」が報じている。
編集者:いまトピ編集部