『ドラマ』5.4%→4.4%→4.0%、3話目で見事な展開「初回は“捨てた”ような自己紹介」
三谷幸喜氏が脚本を手掛け、菅田将暉が主演を務める「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(通称・もしがく)」(フジテレビ系)が、低視聴率に苦しんでいる。
10月1日放送の第1話の平均世帯視聴率が5.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)となり、同8日の第2話が4.4%、15日の第3話が4.0%と右肩下がりで下落。菅田の他に二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波など豪華キャストが勢ぞろいしたドラマとしては、寂しい限りだ。スポーツ紙記者が理由をこう分析する。
「初回は、菅田を始め4人のメインキャストの自己紹介的なストーリーとなりなした。SNSでも初回で脱落を宣言する人が多く見られたように、要は登場人物を一人一人紹介する展開が、テンポがよくなく視聴者の反発を買ったんでしょう」(スポーツ紙記者)
ただし、第2話からはストーリーが動きはじめ、SNSでは「おもしろい」と絶賛するコメントも増加。第2話では、菅田演じる主人公・久部三成が、物語の舞台となる、つぶれかけの“大人向けのダンサーたちが踊る小屋”である「WS劇場」を再建するため、劇場を再利用して芝居を上演しようと提案。二階堂やアンミカ、秋元才加が演じる劇場のダンサーを俳優として舞台に立たせ、シェイクスピアの「夏の夜の夢」を上映する計画を立ち上げる。
さらに、第3話では久部が制作した台本をもとに、元ダンサーや芸人らが舞台稽古に入る様子が描かれる。舞台の公演に燃える久部と、演劇にまったく興味がないダンサーたちのぶつかり合いも見られ三谷氏らしい青春群像劇となり、ダンサー、お笑い芸人、劇場スタッフという寄せ集めの面々が、劇場再建のために心を一つにしていく様子が軽快な流れとセリフで表現されている。過去の名作ドラマ「王様のレストラン」(フジ系)を思わせるような展開で、熱のこもった物語となってきつつある。
それだけに、他局の編成スタッフの間では、三谷氏をコントロールできなかったフジの制作サイドに責任があると語る。
「初回を“捨てた”ような自己紹介だけの第1話の脚本には、直しが入れられるべきでしたが、大御所の三谷氏に誰も意見できなかったのでは。第2話以降がおもしろくなっているだけに、もったいないという声がありますよ。一方で三谷氏の脚本に、最近はキレがないという意見も、テレビ関係者の間で聞こえるのも事実。昨年公開の長澤まさみ主演を映画『スオミの話をしよう』も、豪華キャストの割に話のテンポが悪くヒットとはならなかった。20年にPrime Videoで配信した『誰かが、見ている』、今年放送された、不倫疑惑騒動の渦中にあった田中圭主演で話題になった『おい、太宰』(WOWOW)も同様で、三谷氏らしい、ウイットにとんだジョークや、凝った設定などが若い人にとって、とっつきにくくなっているのかどうか…」
かつては、ドラマでも映画でも次々とヒット作を生み出していた三谷氏は現在64歳。まだまだ「センスが古い」などと言われる年齢ではないはずで、初回での視聴者離れを、第4話から力強く反転させていっていただきたいものだ、とアサジョが報じている。
編集者:いまトピ編集部