『Jリーグ』一騎打ち「史上まれな大混戦」

Jリーグは残り3試合となり、優勝争いは首位・鹿島アントラーズ(勝ち点67)、2位・柏レイソル(同66)の一騎打ちとなりそうだ。
 以前、このコラムでも伝えたが、大混戦になった理由は、抜け出すだけの力を持ったチームがないからだ。
 首位の鹿島はここ2連戦(ヴィッセル神戸戦・17日、京都サンガ戦・25日)が最大のヤマ場と言われた。神戸戦はGK早川友基のビックセーブなどで0-0で引き分け、勝ち点1を獲得。京都戦ではアディショナルタイムにエース・鈴木優磨の劇的な同点ゴールで追いついた。
 メディアはこの2試合の結果を「鹿島の伝統の強さ」という言い方をするが、本当にそうだろうか。神戸戦は後半、立ち上がりこそチャンスを作ったが、ほぼ90分間、神戸ペースで試合が進み、鹿島らしい時間帯はほとんどなかった。以前の強い鹿島なら、この2連戦を1-0で堅く連勝して勝ち点を71に伸ばし、次節にも優勝という状況を作っているのではないか。
今季、川崎フロンターレの黄金時代を築いてきた鬼木達監督を就任させ、常勝軍団復活を目指してきた。それでも鬼木監督は勝った後のインタビューで「まだまだです。やらなければいけないことがたくさんある」と言い続けてきた。選手たちも「誰も満足していない。鹿島が目指しているのはもっと高いレベル」と言っていた。
 監督就任1年目は勝ち負けよりも土台作りに専念するのが普通だが、鹿島というチームはそれを許さない。負けが続けば、熱狂的なサポーターが黙っていない。だから、勝ちながらチームを作っていくのが宿命だ。つまり鹿島はまだ、発展途上のチームといえる。それでも首位に立っている、それが今の鹿島の強さなのだろう。
 一方の柏も今季、リカルド・ロドリゲス監督が就任。徳島ヴォルティスを指揮した時の選手や、浦和レッズを指揮した時の選手と、自分の教え子を補強し、チームの中心に添えてきた。
 徹底したポゼッションサッカーで開幕から注目されてきたが、必ずしも順風満帆にきたわけではない。ボールをキープしているけど、崩せない。絶対的なストライカーがいないから、チャンスを作るけど点が取れない。パスミスからカウンターを食らう。必ずしも安定した戦いをしてきたわけではない。
それでも自分たちのサッカーを徹底してきたことで、今は自信に満ちている。ミスは少なくなり、点取り屋のストライカーがいなくても、どこからでも点が取れるチームになってきた。
 勝ち点1差の2位だが、優勝経験や優勝争いの経験が少ない選手が多い柏にとって、首位で優勝のプレッシャーを受けるよりも、追いかける立場の方が戦いやすい。
 残り3試合。両チームの戦力を考えれば、最終戦までもつれ込む可能性はある。では最終戦の相手はどこか。鹿島はホームで横浜F・マリノスと対戦する。オリジナル10対決であり、マリノスが残留を決めていれば、思い切ってぶつかってくる。簡単な試合にはならない。
 一方の柏はホームで町田ゼルビアと対戦。気になるのは今季、柏は上位チーム(鹿島、京都、神戸、広島、町田)に1勝もしていないことだ。町田にはアウェーで0-3と完敗している。
「史上まれな大混戦」と言われる今季のJリーグ。どうせなら最終戦までもつれ込んで、大いに盛り上がってほしい。とアサ芸プラスは報じた。
編集者:いまトピ編集部

 
                             
                             
                             
                             
                            