【10月26日、発表】理論上の航続距離は「無制限」成功を発表

時速185キロで射程は約1万キロ。炸裂したら最後、放射性物質を含んだ津波が発生し、その影響で沿岸都市が一瞬で死の街と化す。そんな恐ろしい無人潜水核魚雷「ポセイドン」の発射及び、原子力推進システムの稼働実験に成功したと、ロシアのプーチン大統領が10月29日に発表したという。
ロシアメディアによると、ポセイドンは全長20メートルで重量は100トンとのこと。プーチン大統領は10月26日にも、核動力を搭載した巡航ミサイル「ブレヴェスニク」の発射試験に成功したと発表しており、こちらも小型原子炉で作られる核エネルギーで飛行するため、理論上の航続距離は「無制限」という、とんでもない化け物なようだ。
ロシア当局は10月21日の試験で、1万4000キロメートルを約15時間にわたり航行したと発表。西側諸国の首脳陣だけでなく、外遊中のトランプ米大統領も、この発表に驚きと戸惑いを隠せなかった様子。
「周知のように、ロシアは宇宙でも原子炉開発を進めるなど、小型発電用原子炉開発の分野では抜きん出ています。『ポセイドン』『ブレヴェスニク』ともに、プーチン政権が2018年に発表した『次世代核兵器パッケージ』に含まれていた兵器。ただ、原子炉を搭載するミサイルとなれば、放射能漏れや発射時、墜落時の汚染リスクが極めて高い。そのため、西側諸国の間では、実現の可能性を疑問視する声が多かったのです。そんな中での突然の実験成功発表は、西側諸国の間に激震が走らせるに十分でした」(ロシア情勢に詳しいジャーナリスト)
アメリカではトランプ大統領が掲げる新型ミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」構想が進み、これが実現すれば核動力ミサイルの阻止が可能と思われるのだが、
「残念ながら現在のアメリカにおける防衛システムでは、ロシア既存の弾道ミサイルでさえ、完全には防御できません。ここに新たな巡航ミサイル攻撃が加われば、防衛する手段はない。もはやお手上げの状態になります。しかも防御システム構築は攻撃のそれ以上に時間とコストがかかるため、そう簡単にできるものではない。ロシア当局は今回のミサイルについて『迎撃手段は存在しない』『どんな防衛システムも突破できる』と声高に主張しています。この実験成功が事実なら、ロシアの主張通りである可能性は極めて高いことになります。プーチン大統領が強気の姿勢を崩さない理由には、そんな背景があるわけです」(前出・ジャーナリスト)
核戦争の脅威が広がることになったと「アサ芸プラス」が報じている。
編集者:いまトピ編集部
