静かなブーム『ダイソー』や『セリア』で販売「身軽さと気軽さ」

今、Z世代を中心に静かなブームとなっているのが「100均財布」と聞いて、どう思うだろうか。ダイソーやセリアで売られているビニールケースや透明ポーチを財布代わりに使うスタイルで、XやTikTokでは「#100均財布界隈」というハッシュタグまで登場。100円ショップではサンリオやちいかわといったキャラクターケースが続々と並び、キャッシュレス時代の「新しい財布のかたち」として勢力を拡大している。
流行の背景には、Z世代特有の「軽さ指向」がある。スマホ決済が主流となり、現金を持ち歩く機会は激減。大きくて重いブランド財布を持つより、必要最低限のカードと小銭を入れられる軽量タイプが好まれているのだ。
都内の20代女性がその利便性を語る。
「以前はブランド物の三つ折り財布を使っていたんですが、スマホショルダーに入らないんです。飲食店でトイレに行く時に手で持っていったら、そのまま忘れて置き引きに遭っちゃって。クレカを大量に入れていたので解約が面倒で、財布もそれなりの値段だったのでショックでしたね。100均の財布なら必要最低限のものしか入らないので、今はクレカ1枚だけ持ち歩いています」
この「身軽さと気軽さ」が、若者の心をつかんでいる。100円ショップの財布ならが、汚れたら即チェンジ、季節や気分で色やデザインを変えるのも自由。ファッションアイテムとしての更新性が高く、SNS映えも狙える。
実はこの100均財布、旅好きの間でも以前から重宝されていた。
「海外旅行ではスリ対策として現金を最小限にし、ビニールケースをズボンのポケットに入れています。万が一、ぼったくりにあっても『これしか現金を持っていない』と言い逃れられる上、安価で軽く、失くしてもダメージが少ないです」(30代男性)
ミニマル指向だけでなく、防犯・実用面でも理にかなっているのだ。一方で、ブランド財布はZ世代の感性にそぐわなくなりつつある。かつてステータスの象徴だったルイ・ヴィトンやグッチの長財布は「重い」「ロゴが目立ってダサい」「値段に見合わない」と敬遠されがちに。モノよりも体験、ステータスよりも実用性を重視する価値観の変化が、財布選びにも表れている。
もちろん、全ての若者が100均財布派というわけではない。しかし「高級ブランド=憧れ」という構図が崩れ始めているのは確か。財布ひとつとっても、ブランド神話の時代は終わり、軽くて安くてかわいい財布の時代がすでに始まっているとアサ芸プラスは報じている。
編集者:いまトピ編集部
