千葉県立幕張総合高校(千葉市美浜区)で19日、看護科で3年間学んだ37人が2年課程の専攻科に進級した。ロウソクの火を手に、看護の道を志す決意を新たにする「戴灯式」に臨んだ。

 火はクリミア戦争でランプを持ち、負傷した兵隊を見回ったナイチンゲールの献身の象徴。同校は専門の学びが始まる進級を機に、進路を貫く志を確認する区切りとして戴帽(たいぼう)式をしてきた。

 衛生面などから医療現場でナースキャップはほぼ廃止され、同校では5年制の看護科が創設されて20年の今年から、戴灯式に切り替えた。

 照明を落としたステージ上で、生徒たちはナイチンゲール像の大きなロウソクから手元の小さなロウソクに火を移し、「ともに看護を志すものとして、仲間と高め合いながら成長していきます」などと声をそろえた。

 生徒代表を務めた松崎稟(りん)さん(18)は2年後に看護師の国家試験を突破し、さらに1年間勉強して助産師をめざす。「お母さん、赤ちゃんに世界で一番最初に『おめでとう』と言える仕事をしたい」。4人の男子生徒の一人、川東(かわひがし)瀬(らい)さん(18)は「感染などの危険があっても、人を助ける看護師の姿はかっこいい。勉強は難しくなるが、仲間に聞きながら頑張ります」と話した。(織井優佳)