どんな人でも「二度と一緒に回りたくない」と感じる人はいるはずです。しかし、様々なゴルファーに話を聞くと、ベテランとビギナーでは「一緒に回りたくない」と感じるタイプが真逆なことが多いようです。

ベテランが「二度と一緒に回りたくない」のはプレーが遅い人

 ゴルフを長年プレーしていると「あの人とはもう二度と一緒に回りたくない」という話を聞く機会があります。「へえ、どんなことがあったのですか?」と耳を傾けますが、ベテランが「もう二度と一緒に回りたくない」人はだいたい次の3パターンです。

・プレーが遅い人・周りのプレーを見ていない人・スタート時間に遅刻する人

 しかし、ビギナーは狙ったところにボールが飛ばないのでプレーが遅くなったり、周りのプレーを見る余裕がなくなったりします。

「親切」と「お節介」は受け取る側によって変わるもの 写真:AC
「親切」と「お節介」は受け取る側によって変わるもの 写真:AC

 また、スタート時間をゴルフ場に到着する時間と勘違いしたり、ゴルフ場までの所要時間の読みが甘くてスタート時間に間に合わなかったりすることもあります。

 ですから、ビギナーに関してはこれらの要素は多少大目に見てあげなきゃいけない部分だと個人的には思っています。

 筆者は同伴競技者に対して「もう二度と一緒に回りたくない」という感情を抱くことはほとんどありません。なぜならば、そう思われているゴルファーを「また一緒に回りたい」と思えるゴルファーに変えるのが、ゴルフの原稿を書いている自分の役割だと感じているからです。

 プレーが遅い同伴者がいたら、ボール探しやバンカーならしを手伝ってあげて、グリーン周りに置いたクラブをピックアップしてあげると進行がスムーズになります。早くなるコツを知らないからプレーが遅いゴルファーは世の中にたくさんいます。

 周りのプレーを見ていない同伴競技者がいたら、「ここから○○さんが打ちますよ」とか「そこに立っていると危ないから、あの木の後ろに隠れてください」と声をかければ、周りのプレーを見ることの必要性と重要性を伝えることができます。

 スタート時間に遅刻するのも決して好ましいことではありませんが、思わぬ事故渋滞に巻き込まれてやむを得ないケースもあります。

 スタート時間の20分前にキャディーバッグが乗用カートに積まれていなければ遅刻の可能性がありますから、すぐに携帯電話で連絡を取ります。

 その時点で連絡が取れなければ遅刻がほぼ確定的ですから、間に合わないことを前提にした手続きを始めます。マスター室に同伴競技者が遅れそうな旨を伝え、「スタート時間を最終組の後ろにずらしてもらえませんか」とお願いします。

 マスター室も遅刻対応には慣れていますから「分かりました。到着次第お知らせください。今日は比較的空いていますから、最終組よりも前にスタートできるタイミングもありますよ」などと教えてくれます。

 そして遅刻者が到着したら「今度からスタート時間に遅れそうなときは30分前に連絡してね」と伝えます。

ビギナーが「もう二度と一緒に回りたくない」のは教え魔

 一方で、ビギナーの「もう二度と一緒に回りたくない」人はだいたい次の3パターンです。

・せっかちな人・周りに対する気遣いができない人・他人のプレーに口を出す人

「プレーが遅い人」のことを許せないのが「せっかちな人」です。「周りのプレーを見ていない人」のことを許せないのが「周りに対する気遣いができない人」です。

 その人たちが「他人のプレーに口を出す人」になります。実はこちらのほうがやっかいだったりします。

 ゴルフは個人スポーツなので、いい方は悪いですがチームスポーツに比べて自分勝手な人が多い印象です。そういう人が自分勝手に振る舞えないとイライラします。

 ビギナーが狙ったとおりに打てないのは当然です。それなのにせっかちなベテランは周りのことなど気にせず自分のボールにスタスタと先回りします。

 そうするとビギナーはベテランがいる方向に打たなければならないので、内心ヒヤヒヤします。それなのに「打ちますよ」と声をかけてもまったく気にしません。「飛んできたらよけるから早く打てよ」という感じです。

 そして自分がスムーズにプレーしたいがゆえに「頭が動いているからちゃんと当たらないんだよ。もっとボールをよく見ろよ」とか「クラブがアウトサイドに上がっているからスライスしか出ないんだよ。もっとインサイドに引けよ」などと口を出します。

 そんなことをいわれても、その場で直せるはずがありません。ほとんどの場合、スイングの形もショットの方向性もグチャグチャになります。

「もう二度と一緒に回りたくない」と思うことも思われることも、メリットは何一つありません。ベテランもビギナーも、もう少し大らかな気持ちでゴルフ場でのプレーを楽しんでほしいものです。

保井友秀