モータージャーナリストの生方聡がボルボXC40リチャージ・アルティメット・シングル・モーターに乗って叫んだ本音がこれ!「ワインディング・ロードが待ち遠しいボルボ」
「峠道が待ち遠しい」生方聡
ボルボといえばほんと20年くらい前までは安全だけどちょっと無骨なイメージが強かったが、それがいまや、安全性で業界をリードしながら、デザインも走りも洗練されたカッコいいブランドに変身。エントリー・モデルのXC40を見てもそれは明らかで、そのスタイリッシュな佇まいを眺めたり、スカンジナビアン・デザインの心地よい空間に包まれるだけで心が安らぎ、気持ちが軽くなっていくのは不思議である。
そんな、走らせなくても元気になれるXC40だが、ステアリング・ホイールを握るとこのクルマの楽しさは倍増する。
なかでもBEVのXC40リチャージはドライブが楽しいクルマに仕上がっている。前輪駆動やそれがベースの4WDばかりのボルボにあって、XC40リチャージ・シングル・モーターは後輪駆動を採用。
おかげで、ハンドリングはこれまで以上にすっきり軽快になり、また、加速時には418Nmの大トルクをリア・タイヤがしっかり受け止めるので、涼しい顔でアクセレレーターを踏みきれるのが頼もしいところだ。
SUVなのにワインディング・ロードが待ち遠しいボルボである。
「スーパーカー乗りも声を上げる」桂 伸一
我が家にXC40が来て4年。車検を取り愛車として継続中なほど気に入ったのは、サイズ感とそれがPHEVだから。今日の試乗車はそのBEV版。ボルボはフルBEV化宣言をしていて、XC40は“変革期”のボルボを象徴する量販モデルである。BEVはツイン・モーターAWDとシングル・モーターFWDの2モデルで誕生した。
その後、2輪駆動はRWDの後輪駆動に変わる。ボルボは元々RWDの操縦安定性を主としたので原点回帰か。
乗り味として見ると違いは明確だ。我が家のPHEVはFWDだが、前輪を駆動する振動、衝撃、シミー等雑味がステアリング・ホイールを通して伝わる。
一方BEVのRWDはそれら雑味が伝わらず、路面からの反力はあるが基本的に滑らかで上質。駆動は後輪から押し出されるので身体はシートに優しく沈む。その滑らかな押し出しから、加速を強めるとスーパーカー乗りでもある会員様も思わず声を上げるほど瞬発力があるのがBEVの威力。
駆動方式はAWDが当然多様性は高いが、日常使いでもシングル・モーターのRWDで何の不都合もない。
写真=郡 大二郎(メイン)/茂呂幸正(サブ)
(ENGINE2024年4月号)