高齢になると月々の収入が「年金だけ」という方もいらっしゃると思いますが、年金だけでは生活が苦しく、大変な思いをすることもあるかもしれません。   まずは高齢者の生活に毎月どのくらいのお金がかかるのかを確認し、年金だけではどれくらい足りないのかを調べてみましょう。本記事では、85〜90歳までにかかる支出額を算出して、月10万円の年金だけだといくら不足するのかを解説します。

85〜90歳までにかかる支出額はどのくらい?

総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、令和5年における65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月の消費支出額の平均は14万5430円で、内訳は表1のようになっています。
 
表1

項目 月平均額 構成比
食料 4万103円 27.6%
住居 1万2564円 8.6%
光熱・水道 1万4436円 9.9%
家具・家事用品 5923円 4.1%
被服及び履物 3241円 2.2%
保健医療 7981円 5.5%
交通・通信 1万5086円 10.4%
教育 0円 0.0%
教養娯楽 1万5277円 10.5%
その他の消費支出 3万821円 21.2%

※総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
また、消費支出のほかに税金や社会保険料などの非消費支出の平均支出額が1万2243円かかっていると報告されています。
 
上記はあくまでも平均的な金額であり、ある程度ゆとりある生活を送るのであれば、支出額はさらに増える可能性があります。特に85歳とご高齢の場合は、医療などの項目でまとまった費用や継続的な通院が必要になったりする場合もあるでしょう。
 

収入が「年金10万円」だといくら足りない?

65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月の支出額を15万7673円とした場合、収入が月10万円の年金のみだと約5万7000円が不足することになります。1年に換算すると約69万円、仮に90歳までの5年間分を試算すると346万円が足りなくなる計算です。
 

可能であれば一緒に暮らして老後の面倒を見てあげることも検討したほうがいい

高齢の父親が月々の生活費に困っているようであれば、一緒に暮らして老後の面倒を見てあげることも検討したほうがいいかもしれません。
 
生活に困窮しているときは生活保護などの制度に頼る方法もありますが、生活保護は援助が可能な親族がいる場合、そちらを優先すべきとされています。
 
高齢ということで金銭面以外に心配される面も多いと思うので、家族ともよく話し合ったうえで、一緒に暮らすことができないか考えてみるといいでしょう。
 

「月10万円」の年金だけでは足りないので一緒に住んだほうが安心

65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月の平均支出額は15万7673円と推計されます。収入が月10万円の年金のみの場合、月5万7000円近い金額が不足することになるでしょう。85歳から90歳までの5年間を想定した場合、346万円が不足する計算です。
 
金銭面以外の不安もあると思うので、可能であれば一緒に住んで老後の面倒を見てあげることを考えたほうがいいかもしれません。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要(18.19ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー