戸田工業<4100>は9日、宮城県仙台市に整備された3GeV高輝度放射光施設「NanoTerasu(以下ナノテラス)」を活用し、東北大学と共同研究開発を開始したと発表。

4/9のナノテラスのコアリション利用の開始に伴い、磁石材料を対象とした機能解析から開始し、得られた知見や成果により新製品開発を加速させるとしている。

ナノテラスは放射光を利用し、物質の性質等を調べる研究施設。ナノレベルで物質を鮮明に可視化でき、巨大な顕微鏡のような施設という。

同社は、微粒子合成技術を中核に化学素材の開発製造を行っている。今回ナノテラスを利活用することで物質の電子状態、化学状態、配向・凝集、磁性、歪み、分子構造を可視化・評価することが可能となり、これまでに解明できなかったナノレベルでの物質の変化を分析する。

ナノテラス共用開始に伴い、まずは磁石材料の分析・評価から着手する。

これまでに同社独自の微粒子合成技術によりナノレベルでの開発を進めてきたが、現在までの測定機器では、高温環境下での構造変化に伴う磁気特性低下について十分な解明ができていなかった。

今回、東北大学と共同でナノテラスを利活用し、これまでの測定方法では見えなかった状態を可視化することで温度変化が物質に与えるメカニズムを解明する。また得られた分析結果を用いることで画期的な製品の実現を期待している。