将棋・藤井聡太竜王=名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖と八冠=への挑戦権を争うトーナメント「第37期竜王戦」の6組ランキング戦決勝が21日午前10時、関西将棋会館で始まった。

 18歳の藤本渚五段と、奨励会員初の決勝進出となった15歳・山下数毅三段との対局。振り駒の結果、先手は山下で26、27手目で角を交換した。昼食休憩に入った正午時点で33手目まで進み、形勢は互角。

 山下が勝てば、奨励会員初のランキング戦Vと同時に、今期の三段リーグ終了後に「次点1」を付与される条件を満たす。

 山下はすでに23年の前期で次点1を獲得。今期の第75期三段リーグ(4〜9月)で上位2人になればプロ入りが決まるが、終了時で降段点(勝率2割5分以下)以上の結果なら、次点2となり、フリークラス編入=プロ入りの資格を得る。棋士への道が大きく広がる絶好機だ。

 対する藤本は22年10月にプロ入りし、23年度は新人賞と最多勝利賞(伊藤匠七段と同じ51勝)、勝率2位(8割5分)をマーク。現役棋士最年少で唯一の10代の強豪。決勝トーナメント進出から、タイトル初挑戦を目指す。

 持ち時間は各5時間で、夕食休憩も挟んで深夜に決着する見込み。