トロントの日本人左腕が強烈な存在感を放ち続けている。

ブルージェイズの菊池雄星は現地4月16日(日本時間17日)、本拠地ロジャースセンターでのヤンキース戦に先発登板すると、6回94球を投げ、4安打1失点、9奪三振1四球の快投でクオリティ・スタートを達成するとともに、今季初勝利を挙げた。

これで左腕の今季の防御率は2.08に向上。なお、菊池にとってこれは今季2度目のヤンキース戦となったが、前回はヤンキースにとってホーム開幕戦となった試合で対戦し、5回1/3を投げて4安打無失点と、アメリカン・リーグ東地区首位のチームを零封しており、これでヤンキース戦はこれまで11回1/3を投げて1失点。

完全にヤンキースキラーとして、同地区のライバルの行く手を阻む存在と化している。また、菊池は4月に先発登板した3試合で計17回1/3を投げ2失点しかしておらず、月間防御率は1.04と無双状態に入りつつある。

『MLB.com』でブルージェイズを担当するキーガン・マセソン記者は、試合後、菊池の快投を伝える速報記事を投稿し、その冒頭で、「ユウセイ・キクチは今や両手でハンドルを握っている(素晴らしい安定感を維持している)」と切り出した。

続けて、「キクチによる2023年の再生という、良い感じのストーリーは新年にも波及したが、これ以上、うれしい驚きはない」とした上で、「キクチは完全に掌握している。期待値は高く、キクチはとにかく高みへ登り続けている」とするなど、「ベストの状態だった」と好調を維持する左腕を表現した。

また、菊池は初回にアンソニー・ボルピー、フアン・ソト、そしてアーロン・ジャッジから三者連続三振を奪ったが、同記者は、高めの速球でジャッジを空振り三振に斬って取った場面について、「キクチがジャッジに対し、あのスポットにあの投球を投げて勝負したことには、何か断固たるものを感じた」と伝えた上で、「昨年の菊池は良かった。今年、彼は自分が良いことを承知している。今や、彼はそれを確信しているのである」とした。

記事によると、試合後にジョン・シュナイダー監督は左腕について、「彼はかなり乗っている。彼については、毎回そう言っているように感じるけれど、自信というのは大きなもの。彼のことを信じているのさ。彼の投球数はかなり効率的になった。彼は素晴らしいものを持っている。彼の投球は刺激的だ。とにかく、彼はとても良い状態にあるんだ」と述べたとのこと。

左腕の快進撃はまだまだ続きそうである。