熊本市が建て替える方針の本庁舎の問題で、市民への説明会が始まりました。

 新庁舎整備への合意形成を図り、意見を聞くための説明会で、20日に初めて開かれた南区の会場には、住民ら30人ほどが集まりました。

 熊本市の本庁舎をめぐっては、熊本地震を機に、市が実施した2度の調査で耐震性能が不足しているという結果が出ています。

 去年5月には、有識者会議が建て替えるべきと答申し、その翌月に大西一史市長が、建て替えの方針を示しました。

 20日は、整備する本庁舎の規模や役割をまとめた基本構想の素案が説明され、市民からは、仮に移転した場合の現庁舎の敷地の利活用や建設候補地に関する質問が相次ぎました。

 素案で候補地となっているのは、4カ所。熊本市は、今年の秋をめどに建設地を決めるとしています。

(新庁舎の候補地)

◆現在の敷地

◆日本郵便九州支社

◆NTT西日本桜町ビルの敷地

◆白川公園

 また、市民からは「現在の庁舎は、熊本地震の被害がなかったが、それを数百億円の金をかけて解体して新築していいのか」など、財政負担の質問も出ました。

 素案では、事業費を470億円とし、合併推進債を活用すると、財政負担は136億円軽減されるとしています。ただ、その活用については、来年3月までの実施設計の着手が条件となっています。

 説明会終了後、市民は「今、耐震補強費をつぎ込んだとしても、また20年後には同じように建て替えの話。同じような金額がかかってくるということであれば、建て替えの方が将来的にも費用をおさえられるのかな」「地震の時にどういう役割を果たすかいう問題もあるし、しっかりした施設にする必要はある。ただ建て替えなくてもできるのではないかという思いは、まだある」

 全5区で2回ずつ、計10回の説明会を経て、6月議会にも、基本構想を示す方針です。